2019 Fiscal Year Annual Research Report
マルチオミックス情報を基盤とした難治性小児がんに対する新規克服法の開発
Project/Area Number |
17H04224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
滝田 順子 京都大学, 医学研究科, 教授 (00359621)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小児がん / 発現プロファイル / 治療標的 / 神経芽腫 / 横紋筋肉腫 / 骨肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨肉腫の治療成績は未だ不十分であり、その病態解明と新規治療法の創出が求められている。そこで、公開データを用いた大規模発現解析を試みた。その結果、骨肉腫サンプルは発現プロファイルにより2 群にわかれ、2 群は予後に著明な差がみられた。予後不良群で発現の強い遺伝子につき、ノックダウンのスクリーニングを行ったところ、タ ンパクの糖鎖修飾を制御する遺伝子である C1GALT1 遺伝子の発現を抑制することで骨肉腫細胞の増殖が停止した。またこの際、細胞内増殖シグナリングに関わる ERK のリン酸化が抑制された。この結果から、予後不良な骨肉腫において、C1GALT1 によるタンパクの糖鎖修飾が悪性化の根幹をなす可能性が示された。 神経芽腫の公開データを用いて、発現プロファイルの解析を行った。その結果、ALKとMYCN増幅を有する一群において、PHGDHの高発現を確認した。これは高リスク神経芽腫のうち、予後不良群で有意に高発現していることから、ALK阻害剤と併用効果が期待できる新たな治療標的となりうる可能性が考えられた。細胞株を用いて、この遺伝子をノックダウンすると、有意な細胞増殖抑制効果が確認された。 TARGETの公開データをもとに、横紋筋肉腫メチル化と発現データをもとにクラスタリング解析を行った。その結果、メチル化プロファイルの違いにより、4群に分類され、それぞれ組織型と強い相関を示した。また発現データによる遺伝子変異の検討からメチル化クラスターの4群は、先行研究におけるメチル化サブグループと一致する可能性が高いことが示され、別コホートにおける再現性が確認された。予後不良が予想されるE2群における治療標的FGFR経路の高頻度な異常が確認された。そこで、細胞株を用いたFGFR阻害剤の検討を行ったところ、顕著な細胞増殖抑制効果が観察された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Integrated genetic and epigenetic analysis revealed heterogeneity of acute lymphoblastic leukemia in Down syndrome2019
Author(s)
Kubota Y, Uryu K, Ito T, Seki M, Kawai T, Isobe T, Hayashi Y, Ogawa S, Terui K, Sato A, Hata K, Ito E, Takita J
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 110
Pages: 3358~3367
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Resistance of t(17;19)‐acute lymphoblastic leukemia cell lines to multiagents in induction therapy2019
Author(s)
Watanabe A, Inukai T, Kagami K, Abe M, Takagi M, Fukushima T, Fukushima H, Nanmoku T, Terui K, Ito T, Toki T, Ito E, Fujimura J, Goto H, Endo M, Look T, Kamps M, Minegishi M, Takita J, Inaba T, Takahashi H, Ohara A, Harama D, Shinohara T, Somazu S, Oshiro H, Akahane K, Goi K, Sugita K
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Journal Title
Cancer Medicine
Volume: 8
Pages: 5274~5288
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Long-term outcome and chimerism in patients with Wiskott-Aldrich syndrome treated by hematopoietic cell transplantation: a retrospective nationwide survey.2019
Author(s)
Iguchi A, Cho Y, Yabe H, Kato S, Kato K, Hara J, Koh K, Takita J, Ishihara T, Inoue M, Imai K, Nakayama H, Hashii Y, Morimoto A, Atsuta Y, Morio T
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Journal Title
Int J Hematol
Volume: 110
Pages: 364-369
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] 髄移植後に難治性の自己免疫性溶血性貧血を発症した先天性無巨核球性血小板減少症の乳児例2019
Author(s)
田坂 佳資, 梅田 雄嗣, 赤澤 嶺, 神鳥 達哉, 磯部 清孝, 加藤 格, 平松 英文, 前田 由可子, 大封 智雄, 足立 壯一, 滝田 順子
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Journal Title
日本小児血液・がん学会雑誌
Volume: 56
Pages: 348-352
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 活性型ビタミンD製剤は早産児骨減少症の治療に必要か?2019
Author(s)
本倉 浩嗣, 高橋 知也, 花岡 伸太朗, 友滝 清一, 西村 尚子, 山本 茜, 友滝 寛子, 岩永 甲午郎, 松倉 崇, 丹羽 房子, 河井 昌彦, 滝田 順子
Organizer
第122回日本小児科学会学術集会
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[Presentation] CNS-ALLマウスモデルでのpiggyBac CD19 CAR-T細胞脳室内投与の安全性と有効性の検討2019
Author(s)
田中 邦昭, 加藤 格, 田中 美幸, 盛田 大介, 松田 和之, 高橋 義行, 梅田 雄嗣, 平松 英文, 中畑 龍俊, 足立 壯一, 滝田 順子, 中沢 洋三
Organizer
第122回日本小児科学会学術集会
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[Presentation] ターゲットキャプチャー法による小児胚細胞腫瘍の変異解析2019
Author(s)
久保田 泰央, 関 正史, 関口 昌央, 吉田 美沙, 吉田 健一, 樋渡 光輝, 宮野 悟, 岡 明, 林 泰秀, 田中 祐吉, 小川 誠司, 滝田 順子
Organizer
第122回日本小児科学会学術集会
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[Presentation] 遺伝子変異が同定できない免疫不全症例における、患者iPS細胞を用いた解析例の報告2019
Author(s)
本田 吉孝, 八角 高裕, 伊佐 真彦, 仁平 寛士, 芝 剛, 下寺 佐栄子, 柴田 洋史, 田中 孝之, 井澤 和司, 川崎 ゆり, 齋藤 潤, 小原 收, 西小森 隆太, 平家 俊男, 滝田 順子
Organizer
第122回日本小児科学会学術集会
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[Presentation] 赤芽球癆を呈したADA2欠損症の一例2019
Author(s)
仁平 寛士, 伊佐 真彦, 芝 剛, 本田 吉孝, 下寺 佐栄子, 柴田 洋史, 田中 孝之, 井澤 和司, 八角 高裕, 西小森 隆太, 丹羽 明, 滝田 順子
Organizer
第122回日本小児科学会学術集会
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[Presentation] THI既往があり前駆B細胞性ALL加療中に1型DMが判明したDown症の8歳男児2019
Author(s)
高橋 知也, 岩永 甲午郎, 本倉 浩嗣, 花岡 信太朗, 西村 尚子, 友滝 清一, 山本 茜, 友滝 寛子, 松倉 崇, 丹羽 房子, 河井 昌彦, 滝田 順子
Organizer
第122回日本小児科学会学術集会
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[Presentation] Oncologic emergencyを呈した腹腔原発炎症性筋繊維芽細胞腫瘍に対し、積極的外科的切除を行い無再発生存を得ている1例2019
Author(s)
岡本 竜弥, 岡島 英明, 才田 聡, 金城 昌克, 園田 真理, 小川 絵里, 梅田 雄嗣, 足立 壮一, 荒川 歩, 小林 千登世, 滝田 順子, 上本 伸二
Organizer
第56回日本小児外科学会学術集会
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[Presentation] Alveolar Capillary Dysplasiaに対して片側生体肺移植を施行した一男児例2019
Author(s)
荒河 純子, 馬場 志郎, 衣川 佳数, 松田 浩一, 赤木 健太郎, 吉永 大介, 平田 拓也, 陳 豊史, 池田 義, 伊達 洋至, 滝田 順子
Organizer
第55回日本小児循環器学会
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[Presentation] 多彩な自己炎症性疾患を紐解く インフラマソームを介した自己炎症性疾患の診断・治療にiPS細胞がどのように役立つか?2019
Author(s)
田中 孝之, 芝 剛, 西小森 隆太, 柴田 洋史, 井澤 和司, 柳町 昌克, 齋藤 潤, 中畑 龍俊, 小原 收, 平家 俊男, 滝田 順子, 八角 高裕
Organizer
第29回日本小児リウマチ学会総会・学術集会
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[Presentation] 不明熱診療における末梢血1型インターフェロン応答遺伝子群の発現解析の有用性2019
Author(s)
宮本 尚幸, 本田 吉孝, 井澤 和司, 前田 由可子, 西谷 真彦, 仁平 寛, 柴田 洋史, 田中 孝之, 八角 高裕, 滝田 順子, 西小森 隆太
Organizer
第29回日本小児リウマチ学会総会・学術集会
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[Presentation] 免疫不全:原発性免疫不全症の遺伝子診断におけるExome解析のpitfallと診断困難例に対する解析戦略 患者由来iPS細胞を用いて診断したDeep intron変異による細胞種依存的なNEMO異常症の経験から2019
Author(s)
本田 吉孝, 八角 高裕, 伊佐 真彦, 仁平 寛士, 芝 剛, 柴田 洋史, 田中 孝之, 井澤 和司, 川崎 ゆり, 齋藤 潤, 網代 将彦, 萩原 正敏, 岡田 賢, 小原 收, 平家 俊男, 滝田 順子, 西小森 隆太
Organizer
第47回日本臨床免疫学会
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[Presentation] 入院治療中の小児がん患者の身体活動量と家族機能の関連2019
Author(s)
村田 翔, 副島 尭史, 鈴木 征吾, 樋渡 光輝, 関 正史, 三谷 友一, 日高 もえ, 佐竹 和代, 野口 隼, 湯坐 有希, 滝田 順子, 康 勝好, 上別府 圭子
Organizer
第61回日本小児血液・がん学会
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[Presentation] 小児がん拠点病院におけるQuality Indicator2019
Author(s)
藤崎 弘之, 小松 裕美, 井口 晶裕, 笹原 洋二, 康 勝好, 湯坐 有希, 後藤 裕明, 高橋 義行, 平山 雅浩, 滝田 順子, 家原 知子, 井上 雅美, 小阪 嘉之, 川口 浩史, 田口 智章, 木下 義晶, 米田 光宏, 瀧本 哲也, 松本 公一
Organizer
第61回日本小児血液・がん学会
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