2018 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍のレーザー治療を確立するための脳光温熱生体数値シミュレーションモデルの開発
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17H04307
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松前 光紀 東海大学, 医学部, 教授 (20209604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 利克 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40358370)
荒船 龍彦 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (50376597)
黒田 輝 東海大学, 情報理工学部, 教授 (70205243)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レーザー温熱治療 / 生体情報解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【数式モデルの確立】 生体組織のパラメータとして、光に関して拡散係数、吸収係数、屈折率、温熱に関して比熱、熱伝導率の計測を開始した。光輸送方程式、生体伝熱方程式は有限差分法、有限要素法、境界要素法での計算を行い、verificationは従来研究で使用されているそれぞれの式の解法との比較、また適切な条件での解析解との比較を行って検証を開始した その後、Cadaverや脳組織ファントムによる計測を行い、より臨床に近い状況で各種パラメータの修正を行った。Cadaverは凍結献体から採取したのち常温に戻し、白質と灰白質に対して厚さT=0.5/0.75/1.0/1.25/1.5mmにスライスした試料を作成する。波長の異なる6種類の半導体レーザー(λ=808/850/915/940/980/1064nm)とパワーメータ、積分球を用いて光物性値を測定した。脳腫瘍組織についても同様の測定を開始し、データを蓄積中である。 【MRI情報に基づく光・熱拡散シミュレーションの精緻化】 血液灌流量測定はガドリニウム造影灌流画像化法などの手法を利用した血液灌流量の測定を行い、実測灌流量の温度依存性を求めた。Thermal Clearance法により、血流による持ち去り熱量から推定される実効灌流量とMRIによる実測灌流量の関係を回帰多項式として得る。得られた灌流量の温度依存性、ならびに熱的作用のある実効灌流量とMRIの実測灌流量の関係は、これまでの生体熱伝導方程式解析における温度分布推定における不確定要素であった、実効灌流量とその温度依存性を明らかにするものである。この検討により、これまで困難であったレーザー光・熱拡散シミュレーションモデルによるレーザー治療の治療計画が行えることとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
献体脳組織、脳腫瘍組織における、比熱、熱伝導率、光吸収係数、光散乱などのデータ収集は順調に進んでいる。また、MRIをもちいた熱の持ち去りに関する研究で、heat transfer rateの算出に成功したことは大きな進歩である。
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Strategy for Future Research Activity |
今度はin-vivo in-vitroの収集データを合わせ、シミュレーションモデルの構築と理論的裏付けを行う。
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