2019 Fiscal Year Annual Research Report
進化論モデルを用いた単一起源細胞から子宮癌肉腫への発生機序解明と治療法の開発
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17H04336
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
榎本 隆之 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90283754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井ノ上 逸朗 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 教授 (00192500)
吉原 弘祐 新潟大学, 医歯学系, 研究准教授 (40547535)
安達 聡介 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50613147)
石黒 竜也 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80625690)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子宮癌肉腫 / 発生起源 / オミックスデータ / 遺伝子変異 / 融合遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの先行研究により、子宮癌肉腫の本質は、子宮体癌の癌幹細胞であると言える。本年度は、子宮体癌・子宮癌肉腫の臨床検体から癌幹細胞の特性を備えたスフェロイド細胞について、その生物学的特徴を明らかにすることを目的とした。ALDH活性の高いスフェロイド細胞は、幹細胞因子の発現、分化能と造腫瘍能が高く、癌幹細胞としての特性を持つことがわかった。 ALDH1A1の過剰発現はスフェロイドの増殖および造腫瘍能を促進したが、ALDH活性の阻害はスフェロイド細胞の増殖および造腫瘍能を抑制した。 ALDH高活性細胞はパクリタキセルに耐性があり、パクリタキセルとALDH阻害剤の併用療法は、スフェロイド細胞と異種移植腫瘍の増殖を相乗的に抑制した。ALDH高活性は、細胞内へのグルコース取り込みの増加、解糖系の活性化、およびGLUT1の上昇と相関していた。 GLUT1の発現抑制は癌幹細胞としての特性を阻害した。 ALDHの阻害と同様に、GLUT1の阻害はパクリタキセルと相乗的に作用しインビトロでの子宮内膜がんスフェロイド細胞の増殖とインビボでの腫瘍形成を抑制した。子宮内膜がん症例の臨床組織検体においてALDH1A1とGLUT1の発現が高い症例は予後不良であった。本研究により、ALDH依存性GLUT1活性化と結果として生じる解糖活性化が子宮体癌症例の予後と治療に重要であり、タキサン化合物とALDHまたはGLUT1阻害剤の併用が子宮体癌に対する新たな治療の選択肢となる可能性が示された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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