2017 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of periodontal disease and peri-implantitis with stem cell disfunction
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17H04392
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
大島 正充 徳島大学, 医歯薬学研究部, 助教 (00548307)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60613156)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 宿主老化 / 間葉系幹細胞機能 / 老化関連疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,歯周病やインプラント周囲炎の病態形成・進行機序を宿主の老化に関連した間葉系幹細胞のさまざまな機能低下に着目して解明し,その解決策を開発することを目的としている.この目的を達成する第一段階として,本年は,歯周病の病態形成,進行が宿主の加齢により,どのように変化するかをマウスモデルを用いて検討したところ,5週齢マウス歯周病モデルに対して,20,35週齢で年齢の増加とともに下顎第一臼歯の近心ならびに根分岐部の骨吸収が著明に増大し,50週齢で最大の骨吸収量を示した.その後,65,80週齢における骨吸収は,50週齢におけるものと有意な差を認めなかった.さらには,骨吸収の差が最も大きい5週齢と50週齢における歯周病病態形成周囲の間葉系幹細胞の集積を組織学的に検討したところ,5週齢では,歯周病誘導モデルにおいて,骨吸収のみられる歯根周囲に間葉系幹細胞マーカーの一つであるPDGFRa陽性細胞が数多く集積している像が観察されたものの,50週齢ではPDGFRa陽性細胞の集積は著明に減少している像が観察された.このことは,宿主の加齢による歯周病の病態形成の変化に間葉系幹細胞が大きく関わっている事を示唆しており,高齢マウスより単離した間葉系幹細胞の機能を詳細に検討することで,歯周病の病態形成・進行メカニズムを解明するだけでなく,新たな分子生物学的治療法の開発につながると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初研究計画では,5,20,35,50,65週齢のマウスを比較検討する計画であったが,50週齢以上の高齢マウスは定期的な購入が困難であり,実験の進行がある程度制限されている現状である.しかしながら,これまでの予備的研究では50週齢以上では歯周病の進行に急激な変化は認められず,50週でプラトーに達するような感覚を得ているため,今後は50週齢とそれ以下の週齢にターゲットを絞り検討して行く予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの予備的検討では,5週齢と50週齢で歯周病の病態形成が大きく異なったため,この週齢における間葉系幹細胞の機能を比較していく予定である.具体的には5週齢および50週齢マウス大腿骨ならびに顎骨より骨髄由来間葉系幹細胞を単離・培養し,コロニー形成能,増殖能,多分化能,免疫調節能を比較検討し,さらには,本研究の中核をなす,幹細胞機能の差を生む骨髄ニッチの差をタンパクレベルで網羅的に解析する予定である.
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Research Products
(1 results)