2018 Fiscal Year Annual Research Report
運動器疾患治療のための中枢・末梢機能の活性化を担う分子基盤の解明と治療法の開発
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17H04409
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 毅 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60406494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 通彦 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10453630)
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
有吉 渉 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40405551)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Auts2 / 骨芽細胞 / Tas1R3 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年から作製していた、骨芽細胞株MC3T3-E1においてCRISPR-Cas9によるゲノム編集を用いてAuts2遺伝子をノックアウトした細胞を作製した。NCBI情報 (NM_177047) のExon8をターゲットとして、CMV-CAS9N-2A-GFPおよびCMV-CAS9N-2A-RFPのベクターに2種類のguide RNAを組み込んだものを構築しゲノム編集用ベクターとした。MC3T3-E1細胞にゲノム編集用ベクターを遺伝子導入した。FACSスクリーニングに従って標的細胞にゲノム編集用ベクターを導入し、2日後にGFP/RFP共陽性細胞のソーティングを行った。共陽性細胞をソート7日後に限界希釈した。0.5 cells/ウェルで播種しシングルコロニーを確認した。各クローンについて、ELISAおよびwestern blottingを行い、10クローンを取得した。このように完成したMC3T3-E1/Auts2KO細胞において、Auts2遺伝子がノックアウトされているかどうかをリアルタイムPCRおよびwestern blottingを用いて検討した。その結果、MC3T3-E1/Auts2KO細胞ではAuts2のmRNAおよびタンパク質は検出されなかった。次に、MC3T3-E1/Auts2KO細胞にBMP-4を作用させ、Alizarin red染色により石灰化を調べたところ、石灰化亢進が抑制されていた。また同じ実験系でアルカリホスファターゼ活性を調べたところ、活性の亢進が抑制されていた。さらに、MC3T3-E1/Auts2KO細胞のRunx2発現を調べたところ、MC3T3-E1細胞と比較して発現が低下していた。 昨年から計画していた骨芽細胞特異的Auts2コンディショナルノックアウトマウスの作製について、Auts2遺伝子のfloxマウスの作製をユニーテック社に依頼していた。現在作成中である。一方、Tas1R3遺伝子が骨芽細胞に発現していることを確認していることから、Tas1R3 floxマウスの作製をセツロテック社に依頼したが、研究分担者の古株の所属する九州歯科大学に納品され、現在繁殖している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Auts2の骨芽細胞における役割について、in vitro解析がすすんでいる。Auts2のfloxマウスの作製も完成に近い。また、Tas1R3 floxマウスの繁殖にも着手できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Auts2を骨芽細胞に強制発現させてBMPを作用させて分化誘導されるかどうかを検討する。Auts2の破骨細胞における発現も調べる。また、今年度中にAuts2 floxマウスが入手できるため、共同研究者からRunx2 Creマウスやosterix Creマウスを入手して掛け合わせる。Tas1R3 floxマウスについては、研究分担者のラボにて解析を進める予定である。
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