2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of time controlled therapy for aged periodontal tissue.
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17H04416
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90524984)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聡 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40359849)
村上 伸也 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70239490)
北垣 次郎太 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (90570292)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 歯周病 / 細部老化 / 歯根膜細胞 / MicroRNA / トランスオミクス / インフラマエイジング |
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| Outline of Annual Research Achievements |
生物学的老化の原因の一つとして考えられる、臓器の機能低下には、細胞老化が大きく関与しており、加齢に伴って組織や臓器において増大した老化細胞は、炎症性サイトカイン、蛋白分解酵素の産生を介して慢性炎症を惹起することが明らかとされている。歯周病において、加齢は喫煙と並ぶ重要なリスク因子であるが、その生物学的な全容は未だ不明である。本研究では、エピジェネティックな機構により遺伝子発現を制御するMicroRNA(miRNAs)に着目し、生体の時間軸に沿って進行する歯周組織の慢性炎症(インフラマエイジング)と組織の恒常性破綻の分子機構の解析を実施した。本研究の実施にあたり、歯根膜の老化細胞の遺伝子発現データベースを加齢の時間軸に沿って構築し、老化、炎症に関わるmiRNAsを同定することにより、歯周病の発症、進行過程における細胞老化の意義の分子レベルでの解明に取り組んだ。平成29年度は、歯周組織構成細胞の時間軸に沿って進行するin vitroの老化過程の各階層のトランスオミクス解析を行うことによって、細胞老化に特異的なmiRNAs群の同定を行った。同定された老化歯根膜細胞特異的miRNAs群は、炎症性サイトカイン、コラーゲン産生、幹細胞能に影響を及ぼすものであり、その一部はエクソソームより検出された。これらの成果をもとに、平成30年度は、生体内での歯周組織の老化と慢性炎症におけるmiRNAsの生理作用を検討する為に、老齢マウスを用いた感染歯周炎モデルを作成し、その病態生理の解析を行った。その結果、高齢マウスの歯周組織には、歯根膜腔が増大し、DNAダメージ、活性酸素が蓄積していることを免疫組織学的に見出した。また、歯周組織のmiRNAs依存性の老化性炎症の機構を明らかにするために、miRNAsと炎症に関するmRNAの生体組織からのRNA採取、発現量モニタリングの解析に取り組んだ。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯根膜の老化細胞の遺伝子発現データベースに基づいたトランスオミクス解析により、老化歯根膜細胞特異的なmiRNAs群を抽出している。それらについて、in vitro実験系により、炎症性サイトカイン、コラーゲン産生、幹細胞能に及ぼす影響を解析した。その結果、老化関連SASP蛋白、ミトコンドリアの機能異常に関与するmiRNAsの同定に成功した。これらのmiRNAsの生体内での歯周組織の老化と慢性炎症における病態、生理作用を検討する為に、老齢マウスを用いた歯周炎モデルを作成し、その病態生理の解析を実施した。免疫組織学的解析の結果、細菌感染に非依存性の老化特異的な歯周組織の新たな炎症の病態像を観察した。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、老齢マウスの歯周組織の修復、治癒過程におよぼすmiRNAsの解析を予定している。また、老齢マウス歯周病モデルに老化miRNA候補の合成阻害剤を投与し、歯周病における治療効果を検討する。In vitro実験においても、歯根膜細胞以外の歯周組織構成細胞のデータの拡充に当たる。また、実際のヒト歯根膜における老化性炎症について分子レベルで検証をおこなうために、歯周病に罹患し保存不可能で抜去した歯に残存する歯周組織ならびに、歯周病罹患患者の唾液をサンプルとして、in vivo状態におけるmiRNAs、mRNAsの解析を実施し、病態バイオマーカーの解析、探索を行う。血清と唾液中には、miRNAsを含有する脂質2重膜小胞であるエクソソームが存在していることから、これを精製し、老化と炎症に関する病態バイオマーカーの探索をおこなう予定としている。
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