2017 Fiscal Year Annual Research Report
原子力災害医療に対応できる看護師教育のプログラム開発および検証
Project/Area Number |
17H04426
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
井瀧 千恵子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (00285008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漆坂 真弓 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (70326304)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 原子力災害医療 / 被ばく医療 / 看護師教育プログラム / 看護師に求められる役割 / 原子力災害医療・総合支援センター / 高度被ばく医療支援センター |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:福島第一原子力発電所事故を契機に被ばく医療を担う人材として看護師の不足があげられている。これまでに看護師の現任教育のための被ばく医療や原子力災害医療に特化した教育プログラムはなかった。そのため、原子力災害医療や核テロリズム時の傷病者に対応できる看護師育成のための教育プログラムを開発することを目的として活動した。 研究実施計画:研究申請当時は、原子力災害医療プログラムの構築がされていなかったが、平成29年度から、国内の5つの高度被ばく医療支援センターで、共通のテキストを用いて人材育成のための研修が開始された。また、国内4つの原子力災害医療・総合支援センターで、共通のテキストを用いて、原子力災害派遣チームのための研修が開始された。当初、4つの原子力災害医療・総合支援センターでの共通プラットフォームを作成する予定であったが、共通テキストを用いて教育の実施が開始されていることを鑑み、当初の計画を修正することが望ましいと判断した。原子力災害医療に関する研修が、各地で開催されている一方、核テロリズム時の医療者の対応を考える機会は少ない。そこで、原子力災害医療に関わる可能性のある原子力災害医療・総合支援センターと初動機関として対応に当たる消防と協働することも視野に入れ、医療者・初動対応者のための核テロリズムへの備えに関する研修会を開催した。核テロリズム時の対応は原子力災害時の知識と共通する点もあり、原子力災害医療に関わる可能性のある医療者、初動対応者にとって有意義な研修となった。 今後は、原子力災害医療時、核テロリズム時に看護師にどのような役割を期待するのかを明らかにし、現在行われている原子力災害医療・総合支援センター、高度被ばく医療支援センターの研修の内容を、看護師の視点でよりわかりやすくできる工夫はないか検討を重ねていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究申請当時は、看護師の現任教育のための被ばく医療や原子力災害医療に特化した教育プログラムが構築されていなかったが、平成29年度から、国内の5つの高度被ばく医療支援センターで、共通のテキストを用いて人材育成のための研修が開始された。また、国内4つの原子力災害医療・総合支援センターで、共通のテキストを用いて、原子力災害派遣チームのための研修が開始された。そのため、まったく新しい教育プログラムを構築することにより、教育プログラムが二重となり、活用性が期待できないと判断し、研究方法の修正が必要になり、現在、研究方法を修正しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行われている原子力災害医療・総合支援センター、高度被ばく医療支援センターの研修の内容を、看護師の視点でよりわかりやすくできる工夫はないか検討を重ねていく。高度被ばく医療支援センター、原子力災害医療・総合支援センターで使用しているテキストの中で、看護師がわかりにくい点、看護師に不足している点を検討し、それらを補完する内容の教育プログラムを構築していく。 さらに、原子力災害医療時、核テロリズム時に活動する看護師に期待する役割について、高度被ばく医療支援センター、原子力災害医療・総合支援センターの関係者や看護管理者等にインタビューすることで明らかにし、新たな教育内容を構築していく。
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