2019 Fiscal Year Annual Research Report
療養病床病院におけるスキンケアの質保証:近未来型皮膚障害予防・管理支援の整備
Project/Area Number |
17H04462
|
Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
紺家 千津子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (20303282)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
須釜 淳子 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (00203307)
松井 優子 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (00613712)
木下 幸子 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (50709368)
浅野 きみ 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (10735351)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 褥瘡 / スキン-テア / 失禁関連皮膚炎 / 療養病床病院 / 遠隔看護支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の皮膚には、褥瘡、スキン-テア、失禁関連皮膚炎という3大皮膚障害が起こりやすい。3大皮膚障害は、痛みだけでなく、感染すると死を招く可能性がある。したがって、主に高齢者が療養の場とする療養病棟ではより高度な看護が求められるが、スキンケアを専門とする皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN)が在職していないことが多いため、皮膚障害のケア支援が望まれる。前年度は、療養病棟の看護師に対する知識と教育支援に向けて観察支援機器の教育方法を検討した。 今年度は、患者個々の皮膚障害に適したケアを実践するために、場所を問わず遠隔にてWOCNに相談できるシステムについて検討した。これまでの教育支援によりアセスメント力は養われるため、その結果はケアには生かされる。しかし、高齢者の皮膚は脆弱で、病態や病状がさまざまであるために、患者個々に適したケア計画の立案には達しがたい。そのため、相談ができる体制が必要であるが、将来どの施設でも実装できることを考慮するとICTを活用したシステムが必要である。なお、皮膚障害の相談には、皮膚の状態を的確に把握するためには皮膚所見の画像情報を病院の看護師と相談を受けるWOCNが共有する必要がある。そこで、両者の通信端末には情報が残らないが、画像だけでなく、通話や動画も相談に活用でき、ID、パスワードを用いサーバーにて情報を管理するシステムを構築した。 なお、このシステムを試用した結果、操作性に支障はないという意見を得た。なお、WOCNがこれまで訪問にて相談対応していた施設では、遠隔の相談であっても指導の時と同等という結果を得ている。また、褥瘡回診時に多職種との調整についてもタイムリーに相談できると良いという要望があり、その対応方法も検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
相談システムの作成に当たり、開発にも関与したストーマ周囲皮膚障害の相談システムや国外の褥瘡管理システムなどの既存のシステムに準じたものが利用しやすいと考えていた。しかし、通常の業務のほかに相談に要する時間がかかることは負担であること、操作が簡便ではないと病棟看護師の活用が停滞するというニーズを収集した。そのため、最低限の情報入力にとどめ、不足分は通話で補う方法を組み込むこととした。さらに、試作したシステムを利用してもらい、様々なニーズに合うよう検討したために計画より遅延した。
|
Strategy for Future Research Activity |
早急に、システムが搭載された端末を協力施設に送付し、このシステムの利用方法についての説明を行う。なお、説明は施設の感染対策状況を鑑み、本システムの動画の送付を利用することで、運用可能である。この方法であれば、送付した端末はデータ通信可能な状態であるため、調査協力施設の通信環境が整っていなくとも実施可能であり、計画通り進める予定である。
|