2018 Fiscal Year Annual Research Report
保健師の健康危機管理能力向上のためのICT活用教材と教育プログラムの開発・評価
Project/Area Number |
17H04466
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大倉 美佳 京都大学, 医学研究科, 講師 (30361984)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光井 朱美 京都学園大学, 健康医療学部, 講師 (20784416)
滝澤 寛子 京都学園大学, 健康医療学部, 准教授 (80293819)
高城 智圭 京都看護大学, 看護学部, 准教授 (20458962)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 健康危機管理 / 実践能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究背景および研究目的】虐待対策、災害対策など不安定な社会情勢とともに健康危機管理が保健師に益々期待されているが、保健師学生は、実習で実践場面に遭遇することは極めて難しく、演習などで具体的な実践能力の習得につなげることが教育的課題である。また、新人保健師にとっても、健康危機管理に関する実践活動経験がほぼ皆無と想定される。 そこで、(1)現場で求められる健康危機管理能力向上を目指したICT活用教材と教育・研修プログラムを開発する、(2)保健師学生及び新人保健師や健康危機管理初任者を対象に教育・研修プログラムを実施し、健康危機管理のイメージ化及び実践能力の習得度に関する評価を行う、ことを本研究目的とする。 特に今年度は、その研究プロセスのうち、実践の専門家エキスパートの意見の合意をもって、健康危機管理に関する実践能力を精選することを目的とした。なお、この調査の結果を基に、保健師学生および新人保健師を対象にしたICT活用教材を視聴する前後の主たる評価指標とする。 【今年度の研究成果】「健康危機管理に関する平時の行動レベルの能力」に関する文献検討を研究メンバーとともに十数回行った、主に、類似した実践能力項目の洗い出し、項目の表現や用語の整合性についての検討を重ねた。 その後、エキスパート9名による1回のノミナルテクニック調査および2回のデルファイ調査を行った。その結果、「新人保健師(市町村所属)・2年目終了時に到達が求められるレベルとしての健康危機管理に関する平時の行動レベルの能力」について、17項目に集約され、各項目に対する同意率は66.7%~100%となった。同意率の低かった項目および「新人保健師(市町村所属)・2年目終了時」に到達が求められるレベルとしては達成が難しいとエキスパートからの意見があった項目については、研究メンバーと検討し、数項目において能力表現の修正を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画通り、調査を実施でき、健康危機管理能力の選定ができた。また、次年度に向けての防災に関するICT動画制作に関する概要の検討を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度2019年度は「防災に関する健康危機管理能力」に関する動画制作を予定している。2018年度に行った「健康危機管理能力」の選定を基に、これらの能力を意識化できるような場面設定を計画している。また、最終年度の2020年度に向けて、2017年度に制作した「母子健康手帳交付時場面の動画」と併せて、新人保健師および保健師学生を対象とした調査を行うための対象施設への依頼も必要であると考えている。
|