2018 Fiscal Year Annual Research Report
Applying Simulation Methods and Solution for Negative Chain of Population Increase, Hunger and Terrorism in West Africa
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17H04506
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大山 修一 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (00322347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪本 拓人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40456182)
桐越 仁美 東京外国語大学, 現代アフリカ地域研究センター, 研究員 (70793157)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サハラ以南アフリカ / 人口増加 / 内戦・テロ / シミュレーション / 紛争解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
西アフリカ・サハラ砂漠の南縁に位置するサヘル帯では人口が急増しており、1人あたりの農地面積の縮小による食料不足、飢餓、貧困が慢性化し、毎年、雨季になると各地で農耕民と牧畜民(フルベ、トゥアレグ)が放牧地をめぐって紛争を繰り返し、近年では死者も出て激化している。本研究は、現地データのシミュレーションによって人口増加や土地利用、紛争がどのように発生するのか将来予測をおこない、どのような方策によって紛争の発生を緩和することができるのかを検証することを目的としている。 研究代表者の大山は9月にニジェールへ渡航し、武力衝突がもっとも発生しやすい現地状況を観察した。大山は、これまでに継続してきた、都市の有機性ゴミによる緑地化がどのように進行しているのか、34サイトの植物を観察し、そこを管理する牧畜民にインタビューを実施し、緑地化サイトがもたらす家畜飼養の負担軽減と家畜の肥育、紛争予防と地域の安定性に対する貢献について調査した。阪本はケニア北部やサヘルの牧畜社会における紛争事例に関する広範な文献や資料のサーベイをおこなった。また、衛星画像など広域データと現地調査で得た局所データを関連づける先端的な手法として機械学習に着目し、その習得に努め、次年度の現地調査に備えた。桐越はガーナ南部の森林地帯において、サヘル帯からの移民流入と彼らの生活の実態を調査した。これらの調査データから、サヘル帯における農地面積の縮小と人びとの移動の関係について詳細な分析を進めた。 大山は、チャド湖周辺で発生するボコハラムのテロに関する論考をまとめて発表し、その被害と発生する原因を考察し、今後の紛争予防につなげるべく、本研究計画の展開と方向性を検討している。また、ニジェールだけではなく、紛争国に囲まれているウガンダ、土地問題の発生しているザンビアにおいても、引き続き、調査を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
西アフリカ・サヘル地域ではテロの発生により、計画どおりに十分な現地調査はできていないが、ニジェール政府関係省庁、国際協力機関、国連機関との連携がすすみ、国際的な協業・連携の枠組みを構築している。安全に留意しながら現地調査をすすめ、これまでに蓄積した研究代表者の研究データや新規のデータをまとめ、分析・記述することで、研究成果をあげることができている。国内学会、国際シンポジウムでの発表、公開講演会での講演、英文論文の刊行、新聞やテレビを通じた成果発信をすすめ、研究ネットワークをひろげ、順調に研究をすすめることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
紛争シミュレーションに必要な人口増加や土地利用の変化については、細密かつ膨大なデータを必要とし、現地調査において多くの作業が必要となる。そのため、2018年度には桐越仁美さん(東京外国語大学)に研究分担者として、現地データの取得やシミュレーションの組み立てにむけた討論に参画してもらった。サヘル地域では、隣国のマリやブルキナファソではテロの発生による治安の悪化がみられる。そのため、外務省、およびJICA現地事務所、京都大学の安全指針にもとづき、現地スタッフの活用による現地調査の継続、あるいは首都近郊に研究サイトを設けている。ニジェール国環境省および、ニアメ市、ドゴンドッチ市の許可を取得し、現地調査を継続する予定である。サヘルの現状を鑑みると、将来予測とそれにもとづく方策の立案・実施により治安状況の悪化を緩和させるという本研究計画はたいへん意義ぶかいと考えているが、治安の悪化には十分に注意し、研究をすすめていくつもりである。
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Research Products
(36 results)