2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H04517
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Research Institution | Koyasan University |
Principal Investigator |
松長 有慶 高野山大学, 文学部, 名誉教授(移行) (30086029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 和雄 駒澤大学, 仏教学部, 講師 (00509523)
乾 仁志 高野山大学, 文学部, 教授(移行) (30168421)
内藤 栄 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 部長 (40290928)
那須 真裕美 種智院大学, 人文学部, 講師(移行) (40424973)
松長 恵史 高野山大学, 文学部, 准教授(移行) (90768897)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インドネシア / 密教 / 海洋交易路 / 智拳印 / 金剛頂経 / 大日経 / ヒンドゥー / 曼荼羅 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的である8世紀から14世紀までに海洋交易路のもとでインドネシアに流布した密教系仏教の思想的・歴史的意義を明確にするため、初年度に計画したジャワ島中部地域を中心とする密教系仏教の遺跡・遺品の計測・写真撮影等の現地調査を29年9月に10日間、30年2月に9日間にわたり研究分担者による合同調査を実施した。その他複数回にわたり現地研究協力者との研究調査の打ち合わせ、並びに博物館を中心とする収蔵品調査を研究分担者が個別に実施した。29年度はインドネシア大学、インドネシア考古学局、およびインドネシア国立中央博物館の現地研究協力者の積極的な協力もあり現地調査は順調に進み、ジャワ島中部地域の調査はほぼ終了した。しかしながら、当初予想していた以上にジャワ島中部地域の密教系仏教に関する遺品(法具・泥製奉納品)の数が豊富なため、これらの出土品の調査に重点を置いた。そのため、初年度に予定していたジャワ島東部地域の調査に関しては次年度に繰り越した。 また、文献資料に関しては、インドネシア大学の古代文字の研究者の協力のもとにバリ島カランガスム地域の寺院に収蔵されているロンタルを中心に現地調査を続けている。しかしながら経典・儀軌の内容に基づいた分類を目的とした解読作業が研究の中心となり、一定の成果を上げるまでに予想以上に時間を要している。その中で古代ジャワ語で書かれた密教の儀軌である『Kalpa Buddha』の写本の翻訳が終了しており、その他収集した写本に関しては随時検討を加えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているが、文献資料調査に関してはヒンドゥー教研に属するものと仏教に属するものが混在しているのみならず、資料数も多いためそれらを区分、また内容を特定するするために時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、遺品研究班はジャワ島東部地域の遺跡・遺品の現地調査を実施する。また、一部の研究分担者でオランダのライデン博物館、レイクス博物館、トロペン博物館等に収蔵されるインドネシア出土遺品の調査を実施する。さらに、初年度に調査済みのジャワ島中部地域の遺品に関しては、蛍光エックス線による計測を実施し、金銅製仏像・法具の成分分析を実施する。 文献班はインドネシア大学の研究者とともに初年度に古代ジャワ文字からサンスクリット語に翻訳された資料を中心に研究を進めるとともに、初年度から実施している文献資料分類を継続する。
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Research Products
(2 results)