2018 Fiscal Year Annual Research Report
Historiographical Study of Islamization in Ethiopia: Based on Research and Analysis of Arabic Manuscripts
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17H04528
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
石原 美奈子 南山大学, 人文学部, 教授 (20329741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 早悠里 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (20726773)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エチオピア / イスラーム化 / アラビア文字資料 / オロモ / カファ / ティジャーニーヤ |
Outline of Annual Research Achievements |
エチオピアにおけるイスラーム化の過程を、アラビア文字資料データの収集・分析を通して理解しようとするプロジェクトの2年目の中間成果として、1年目に収集したデータを整理し、国際学会で発表した。2018年10月上旬、エチオピア北部にあるティグライ州の州都メケレ市にあるメケレ大学で開かれた第20回国際エチオピア学会において、分担者吉田早悠里がドイツ人研究者とともに企画したセッション「エチオピアにおける/のためのアーカイヴ研究」に、代表者石原美奈子も研究発表を行い、文書資料をはじめとする史料研究の課題について諸外国のエチオピア研究者と問題意識を共有した。国際エチオピア学会は、エチオピア研究に携わる諸外国の研究者が一堂に会する機会となっており、同学会を通して将来的な国際共同研究にむけて、国際的なネットワークを構築することができた。 また、吉田は、エチオピアにおいて現地調査を2回(2018年8月5日から2018年9月14日と、2019年3月12日から3月31日)実施した。具体的には、オロミア州ジンマ県に1940年代に成立した聖者村において、1980年代末~90年代初頭に同村を中心に発生した宗教運動のもとで作られた宗教詩歌(マンズマ)に関するアラビア文字資料が、現在、人々にどのように受容・活用されているのかを明らかにした。 さらに国内では、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の共同研究「エチオピア・ジンマ王国伝来イスラーム祈祷集研究」(代表者:石川博樹氏)の一環として、19世紀にジンマ王国で用いられていたとされる祈祷集について集中的に検討する研究会に参加するとともに、同共同研究の成果として開催された展示会やパンフレットに研究成果を開示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エチオピアでの現地調査と国内・国際学会での発表というサイクルを遂行しているという点においては、研究の進捗状況は概ね順調であるといえる。ただ現地でのアラビア文字資料の保有者を探し出し、文字資料を撮影し、さらにそれを分析するという作業に予想以上に時間がかかってしまった。校務の合間を縫って、(夏期・冬期など)長期休暇期間中にしか調査期間がとれないため、(1)当初の計画以上に進展している、とはい言いがたい。2018年度は、代表者は校務のため現地調査は実現できなかったが、分担者は現地調査を2回実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の現地調査により、アラビア文字資料の保有者・保管場所についておおよそ見当がついたので、今後は、焦点を絞って滞在しながら、文字資料の収集・分析を行う予定である。2019年度および2020年度は、夏期・冬期の長期休暇を利用してエチオピアでの現地調査を遂行し、国内では、その分析と平行して、ティジャーニー導師アルファキー・アフマド・ウマルの宗教・社会貢献に関する共著作に取り組む予定である。
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Research Products
(5 results)