2019 Fiscal Year Annual Research Report
Historiographical Study of Islamization in Ethiopia: Based on Research and Analysis of Arabic Manuscripts
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17H04528
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
石原 美奈子 南山大学, 人文学部, 教授 (20329741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 早悠里 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (20726773)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エチオピア / イスラーム / ティジャーニー教団 / オロモ / カファ / アラビア文字資料 / 聖者崇拝 |
Outline of Annual Research Achievements |
石原(研究代表者)は、2019年8月および2019年12月末から2020年1月にかけての2回、エチオピアに赴き、南西部ジンマ県でアラビア文字資料の収集作業に従事した。ジンマ県には、(北西アフリカに起源のあるイスラーム神秘主義教団)ティジャーニー教団が広くオロモ社会に受入れられており、それは20世紀前半から半ばにかけてエチオピア西部で聖者として広く崇敬されたアルファキー・アフマド・ウマルの存在によるところが大きかったことは、これまで行ってきた研究で明らかになっている。石原はアルファキー・アフマド・ウマルと縁のあった人々を訪ね歩きながら、それぞれが個人所有している自筆のアラビア文字資料(宗教詩歌、地域史、聖者譚など)をデジタルカメラで撮影し、デジタル・データ化する作業を行っている。 一方、吉田(研究分担者)は、2019年8月から9月にかけてエチオピアで現地調査を行った。首都アジスアベバに所在する国立公文書図書館でアラビア文字資料の調査を実施したほか、ジンマ県においてアルファキー・アフマド・ウマルの存命する最後の息子である人物の暮らすオロモ集落を拠点にしながら隣接するカファ地方にも足を伸ばし、カファのムスリムの間にもアルファキー・アフマド・ウマルやその子孫に対する崇敬が共有されており、それがイスラームの拡大に寄与していることが明らかになった。 2019年度は、石原・吉田およびアルファキー・アフマド・ウマルの墓廟のあるヤア村で調査を実施した松波康男氏と共同で東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所発行の『FIELDPLUS』誌の特集に寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学の長期休暇を利用して現地調査を行っているが、ただでさえ時間が限られている中で、現地に到着してから滞在許可書の申請に時間がかかるなどして、なかなか現地調査に十分な時間をとれない状態が続いた。また、資料の撮影も、天気の良い日にしかできないため、雨期の8月は移動もさることながら、撮影作業も困難になるなど不利な条件が揃っており、なかなか思い通りに作業が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、最終年度になるが、新型コロナ・ウィルス感染拡大のため、現地調査が十分に行えない(場合によっては不可能になる)状況があることが予想される。そのため、今後は、これまで収集してきた資料の分析と整理の作業に集中したい。
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Research Products
(4 results)