2017 Fiscal Year Annual Research Report
最隔離大洋島ハワイにおける生物多様性創出・維持機構の解明
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17H04607
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井鷺 裕司 京都大学, 農学研究科, 教授 (50325130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野田 雄介 京都大学, 農学研究科, 助教 (70578864)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生物多様性 / ゲノム解析 / 島嶼生態系 / 形態形質 / デモグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年6月26日から8月10日にハワイ島に滞在し、ハワイフトモモの分布域を網羅するように、様々な環境をもつ24箇所に研究調査地点を設置した。また、これらの地点には、ハワイ島に生育することが知られている全ての変種が生育している。それぞれの研究調査地点において約40個体、総計927個体から、形質測定とゲノム解読に用いる葉サンプルを採集した。形質測定の対象とした形質は、葉の厚さ、トライコーム量、含水率、葉面積、窒素濃度、炭素濃度、同位体比等である。 研究分担者が以前より測定を行っていたハワイフトモモのサンプルも含めると、総計約2000個体に関する形質データが揃い、ハワイ島全島レベルの形質多様性が解析できるようになった。これらの解析により、気温や降水量、土壌年代が形質に強い影響を及ぼす一方、集団の多様性は、環境の不均一性や環境要因による選択圧の強さによって説明できることが明らかになった。 またゲノム解析については、ハワイ大学ヒロ校の分子生物学実験室を借りてDNA抽出を行い、DNAを日本に持ち帰った。帰国後、形質の多様性を考慮して、持ち帰ったDNAサンプルから40サンプルを選定し、全ゲノム配列の解読を行った。ゲノム解読の結果、1サンプルあたり平均13Gbの塩基配列情報を得た。また、昨年度に解読した30個体の全ゲノム配列を用いて集団遺伝学的解析を進め、集団遺伝構造や遺伝的多様性について解析するとともに、コアレセント理論に基づいて、過去数百万年に及ぶ個体群動態を異なった形質を持つハワイフトモモを対象に推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析試料採集、形質測定、ゲノム解読ともに予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り野外調査及び解析をすすめる。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Population genomics for the ecological divergence within a Hawaiian woody species.2017
Author(s)
Izuno A, Kitayama K, Onoda Y, Tsujii Y, Amada G, Kobayashi K, Stacy EA, Sakishima T, Nagano AJ, Honjo MN, Kudoh H, Hatakeyama M, Shimizu-Inatsugi R, Isagi Y, Shimizu KK
Organizer
The 2017 Congress of the European Society for Evolutionary Biology
Int'l Joint Research
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