2018 Fiscal Year Annual Research Report
最隔離大洋島ハワイにおける生物多様性創出・維持機構の解明
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17H04607
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井鷺 裕司 京都大学, 農学研究科, 教授 (50325130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野田 雄介 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70578864)
伊津野 彩子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (80816249)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生物多様性 / ゲノム解析 / 島嶼生態系 / 形態形質 / デモグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年7月13日から7月23日の間に、ハワイ諸島のオアフ島、マウイ島、カウアイ島を訪れ、多様な環境で適応進化して生育しているハワイフトモモの生育地調査を行うともに、予備的サンプリングを行った。この調査では、現地の研究者とのネットワークを確立し、後に行う詳細な試料採集と解析に適している調査地の絞り込みを行った。予備調査に基づき、2018年10月20日から10月28日の間には、7月に行った予備調査の結果をもとに、オアフ島に滞在し、集中的な試料採集と形態測定を行った。オワフ島では、現地の行政機関(DOFAW)から許可を得て、島南部のコオラウ山地と、島北部のカアラ山において、複数の標高で調査地を設定し、それぞれ20個体のハワイフトモモ解析試料をサンプリングし、形質解析や遺伝解析を行った。形質解析では、葉の大きさ、厚さ、重量などの基本的な形質の解析がすでに終了しており、次年度のサンプルが揃い次第、化学分析にも着手する予定である。3年目となる2019年度に、データセットが完成する予定である。 遺伝解析では、形質解析に用いた個体の一部について全ゲノム解読を行った。ゲノムレベルの遺伝情報をもとに、集団遺伝構造の解析や、コアレセンス理論に基づいた過去数百万年に及ぶ個体群動態の推定を行った。その結果、ハワイ諸島を構成する各島の歴史や、島内の異なった環境に生育する集団が、それぞれ異なった集団動態を経てきたことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおり、調査地の選定、解析試料の採集、試料の形態測定、ゲノム解析が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定はハワイ諸島から5島を選定し、採集する予定であったが、一つの島内におけるハワイフトモモの形質変化が予想以上に大きく、多様な形質の試料を採集可能であることが判明したため、4島からの採集に変更し、一つの島あたりより詳細な解析を進める。当初想定していた解析試料数は減少させない。
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Research Products
(9 results)