2021 Fiscal Year Annual Research Report
「カエル糊」の適応進化の解明を目的としたフクラガエル類の自然史研究
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17H04608
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
倉林 敦 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 准教授 (00327701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊澤 慶伯 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60221941)
森 哲 京都大学, 理学研究科, 教授 (80271005)
土岐田 昌和 東邦大学, 理学部, 准教授 (80422921)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 形質進化 / 接着物質 / フクラガエル / mRNA-Seq / 相関分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルスにより海外調査が実施できなかったため、流行の継続時に行うこととしていた、(1)糊候補タンパク質とその責任遺伝子の絞り込み、(2)フクラガエル糊粘液の接着力と関係する環境要因の解析を行った。 (1)については、糊粘液についてLC-MS/MSを用いた質量解析を行った。また、フクラガエルは、腹部には糊を持たないが、胸部から顎にかけてからはわずかに糊の分泌が見られ、さらに、背部には多くの糊を持つため、腹部で発現がなく、背中で特に多く発現しているmRNAにコードされるタンパク質が糊の本体である可能性が高い。そこで、フクラガエル雌雄の腹部・顎部・背部の皮膚についてmRNA-Seqを行い、部位ごとのmRNAの種類と発現量を解析した。腹部と背部、顎部と背部を比較した結果、有意に背部で発現が多い遺伝子がそれぞれ697と223個見つかった。これまでの研究で、糊粘液に含まれるタンパク質の中でも比較的存在比率が高く、高分子であり、他の生体糊タンパク質とアミノ酸組成が似ており、さらに特徴的な構造を持つなどの理由から、有力な糊タンパク質候補とみなされていたものが4種類存在する。これら4つのタンパク質のmRNAは、背部での発現が他の部位よりも多いものの中に含まれていたため、さらに糊遺伝子の可能性が高まった。 (2)については、アメフクラガエルの糊粘液の物理的特性についての研究をSalamandra誌にて公表した。社会的な反響が大きく、Microsoft News(msn)のトップページに掲載されたほか、毎日新聞をはじめ、4つの新聞で取り上げられた。また、フクラガエル種間の糊粘液の接着力の強さがどのような要因に影響されているのかを調べるために、接着力の強さと環境要因と相関を調べたところ、接着力の強さは、体の大きさと重さと正の相関があり、土壌の硬さと負の相関があることが示された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Better than mere attraction - adhesive properties of skin secretion in the Common Rain Frog, Breviceps adspersus2021
Author(s)
Kakehashi, R., Hemmi, K., Landman, W., Furuno, N., Du Preez, L., Minter. L., and Kurabayashi, A.
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Journal Title
Salamandra
Volume: 58
Pages: 43-51
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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