2018 Fiscal Year Annual Research Report
Factors associated with occurrence of novel biotype of Oryctes rhinoceros resistant against nudiviruses
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17H04622
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
仲井 まどか 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60302907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 眞一郎 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (60222585)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | タイワンカブトムシ / Nudivirus / ヤシ / 抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 . パラオ個体群の調査:パラオで採集したタイワンカブトムシのサンプルからDNAを抽出し、バイオタイプとウイルス感受性を調査した。また、電子顕微鏡観察により組織中でのウイルスの有無を確認した。その結果、パラオ個体群は比較的高いウイルス有病率を示し、組織中にもウイルス粒子が認められた。2 . グアム個体群の輸入:植物防疫所より輸入禁止品の輸入許可を得て、飼育室を工事して整備した。その後、グアムよりタイワンカブトムシを輸入し飼育を開始した。次世代で生物検定に供試するために、繁殖させる。3 . ウイルスの輸入:ニュージーランドで開催されたワークショップに参加し、今後の共同研究について打ち合わせした。その結果、ニュージーランドのAgResearchとMTAを締結しニュージーランドで保存されていたNudivirus分離株を分与される運びとなった。Nudivirusをタイワンカブトムシ幼虫個体に接種する方法は、まだ確立されていなかったため、経口接種法を検討した。4 . 各国の現状をまとめた総説の編集:オーストラリアで開催された国際学会に参加してシンポジウムし、日本の現状について講演した。また、タイワンカブトムシによるヤシ類の被害について各国の被害について情報交換を行った。さらに、参加国の現在の被害について、総説にまとめる作業を開始した。5 . グアムおよびパラオ共和国の個体群を調査し、関係者と情報交換を行い今後の方針について意見交換した。6 . 沖縄県与那国島のタイワンカブトムシ個体群を採集し、バイオタイプとウイルス有病率を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
輸入禁止品を飼育する施設の工事が完了して、輸入禁止品である海外のタイワンカブトムシを飼育する環境が整った。グアムよりタイワンカブトムシ個体群の輸入し、飼育を開始することができた。しかし、アメリカ領サモアからは、まだ個体群の輸入が完了していない。アメリカ合衆国の政府機関の協力を得なければならないため、これが制限要因となっている。両方の個体群の飼育が開始でき、Nudivirusの接種方法が確立できれば、生物検定を行うことができる。沖縄県とパラオ共和国の個体群の調査については問題がなく研究が進展している。アメリカ領サモアからの輸入についてもグアム大学の共同研究者の協力が来年度中に得られるものと思われるため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1 . パラオ個体群の調査:パラオ個体群に感染しているNudivirusの分離を試みる。 2 . アメリカ領サモア個体群の輸入:植物防疫所より輸入禁止品の輸入許可を得た、アメリカ領サモアのタイワンカブトムシを輸入する。次世代で生物検定に用いるため、殖飼育する。 3 . ニュージーランドの共同研究者より分与されたNudivirusを用いて、グアムおよびアメリカ領サモア個体群に対する生物検定を実施する。 4 . タイワンカブトムシによるヤシ類の被害について各国の現状をまとめた総説を編集:ソロモン諸島とパラオ共和国およびマレーシアからの投稿を待って、総説を完成させ、国際誌に投稿する。
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