2018 Fiscal Year Annual Research Report
環境低負荷と高品質を併有するエコリファイナリーパルプ化システムの構築と評価
Project/Area Number |
17H04717
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浅田 元子 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (10580954)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バイオリファイナリー |
Outline of Annual Research Achievements |
製紙製造におけるブレイクスルー型ケミカルフリーシステム(前処理として高活性水蒸気処理と粉砕処理)を構築する。パルプと同時に副成する他成分リグニンも様々なマテリアルに変換し、石油由来化成品依存社会より脱却することを目指す高活性水蒸気処理(1-4 MPa)と粉砕処理(10 s)により孟宗竹から得られた処理物の水抽出とアセトン抽出を行い、水抽出物、アセトン抽出物および水・アセトン抽出残渣物に抽出分離した。水・アセトン抽出残渣物にはセルロース以外に少量のリグニンが混在しているので、亜塩素酸ナトリウムによるリグニン除去前後のそれぞれのセルロース試料を原料としてパルプを製造し、それぞれの製造パルプの引張り強さ等を測定することにより、機能性を評価した。また、水抽出物については抗酸化活性の評価を行った。アセトン抽出物(低分量リグニン)については不純物が少ない(腐食性硫黄フリーであり環境保全かつ絶縁性に優れる)ことから、高付加価値な電子基板材料用エポキシ樹脂の原料として使用可能である。エポキシ樹脂硬化物(エポキシ樹脂と硬化剤の両方に低分子量リグニンを使用)の製造を試みるとともに、その熱機械特性を測定し、電気機器の基板材料等に使用可能なレベルの特性を持つリグニン分子量(GPCによって測定)や合成方法を決定した。熱機械特性は示差走査熱量計(熱分解温度測定用)と万能試験機(引張力・曲げ強度測定用)により評価し、市販のエポキシ樹脂硬化物と同等の特性を持つことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
製紙製造におけるブレイクスルー型ケミカルフリーシステム(前処理として高活性水蒸気処理と粉砕処理)を構築できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
製紙製造におけるブレイクスルー型ケミカルフリーシステム(前処理として高活性水蒸気処理と粉砕処理)の最適化を行うとともに高機能性のエコパルプとリグニンエポキシ樹脂硬化物の製造を行う予定である。
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Research Products
(6 results)