2018 Fiscal Year Annual Research Report
金属―酸化物ナノ材料を複合化した高性能透明導電膜による太陽電池高効率化
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17H04721
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 俊 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (30706809)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Cuナノワイヤ / 表面改質 / 酸化物 / 保護剤 / 透明導電膜 / 耐久性 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度において、計画していたCuナノワイヤの合成に成功したため、今年度は、Cuナノワイヤを用いて透明導電膜を形成し特性評価を行った。更に、特性向上および耐久性付加のためにナノワイヤ表面の残存有機物の除去や、金属酸化物による被覆を試みた。 得られたナノワイヤを用いて透明導電膜を形成した場合、目標値である酸化インジウムスズの特性(透過率85%、抵抗100Ω/□)に対し、透過率70%、抵抗4000Ω/□程度と非常に低い特性であった。これは、得られたCuナノワイヤのアスペクト比が低く、更にナノワイヤ表面に残存する高分子保護剤が抵抗増加を引き起こしているためであると考えられる。そこで、前年度開発した合成法において、ナノワイヤ成長メカニズムの解析から、ワイヤ成長因子を制御することでナノワイヤのアスペクト比増加に成功した。また表面に残存する高分子保護剤をヒドロキシ酸水溶液を用いて、完全に除去し、ナノワイヤ同士が良好に接触可能な表面処理法を開発した。その結果、透過率70%、4000Ω/□から、透過率86%、抵抗82Ω/□と目標値を上回る特性発現に成功した。特性発現時は、表面処理時に用いたヒドロキシ酸が保護剤となり、即座の特性劣化は見られないが、徐々にワイヤ表面の酸化によって特性が劣化することが明らかとなった。そのため、ZnOを用いた表面被覆を試み、ナノワイヤ表面にZnOの数nmの被覆を達成した。しかし、被覆により耐久性は向上するが、初期の特性が劣化する場合がある。これは、表面被覆時に、ワイヤ同士の接触部を一部酸化させている可能性がある。今後は、耐久性向上および特性向上を達成するため、ナノワイヤ表面に数nm程度の安定な金属膜を形成し、その上に酸化物被覆の検討が必要となる。またアスペクト比については、まだ制御の余地があるため、アスペクト比向上による更なる特性向上も検討が必要である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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