2017 Fiscal Year Annual Research Report
F.J.ビーバー資料群の救出:20世紀初頭エチオピア無文字社会の歴史解明にむけて
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17H04775
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
吉田 早悠里 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (20726773)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歴史学 / アフリカ史 / アーカイヴス / エチオピア / F.J.ビーバー |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にあたる2017年度は、2017年9月、10月、2018年2月の3回にわたって、オーストリアで現地調査を実施した。まず、オーストリア国立図書館所蔵の資料と、本研究課題の研究協力者でありF.J.ビーバーの孫にあたるK.ビーバー氏の個人蔵資料の把握を行った。 オーストリア国立図書館が所蔵するF.J.ビーバーの文書資料の悉皆調査を実施した。そして、同館所蔵のF.J.ビーバー資料35点のうち、デジタル化が未実施の資料のデジタル化を行った。これらの資料のうち、F.J.ビーバーが1909年にエチオピアを訪問した際に記述した日記の翻刻を実施、完了した。また、F.J.ビーバーが1904年、1905年にエチオピアを訪問した際に記述した日記についても、翻刻に着手した。 K.ビーバー氏の協力のもと、同氏の個人蔵資料の整理に着手した。そのうち、F.J.ビーバーが家族に宛てて送った絵葉書325点を時系列で整理して目録を作成するとともに、デジタル化を終えた。また、絵葉書に書かれた文面を、筆跡を確認しながらクレントシュリフトからブロック体へ翻刻し、ドイツ語から英語への翻訳を完了した。以上の成果を踏まえて、F.J.ビーバーの絵葉書に関する書籍の出版を計画し、組み版を実施した。 以上の研究成果を踏まえ、日本学術振興会研究拠点形成事業「テクスト学による宗教文化遺産の普遍的価値創成学術共同体の構築」と連携して国際ワークショップ「文化遺産としてのアーカイヴス」を企画・実施し、アーカイヴスの保全・継承について学際的に検討した。また、国内の学会でも発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オーストリア国立図書館が所蔵するF.J.ビーバーの文書資料は閉架資料であるため、それらの大多数の資料のデジタル化を完了したことで、随時、文書の内容を確認、読解することが可能になった。これにより、国立図書館所蔵の資料と個人蔵資料の関連づけ作業が容易になった。また、個人蔵資料の絵葉書に関してアーカイヴス化の一連の作業をほぼ完了することができた。以上から、全体として順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降は、オーストリア国立図書館が所蔵するF.J.ビーバーの文書資料の翻刻を継続するとともに、K.ビーバーが所蔵するF.J.ビーバーのプライベート資料の整理を進める予定である。また、2018年10月にエチオピアのメケレ大学で開催される第20回国際エチオピア学会で発表する。その際、アーカイヴスの学際的かつ国際的な活用の方法について、具体的に議論する予定である。
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Research Products
(6 results)