2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanical detection of Berry-phase magnetic fields using cantilever structure
Project/Area Number |
17H04806
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩見 雄毅 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10633969)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ベリー位相 / カンチレバー / トポロジー / ホール効果 / 圧電効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、近年物性物理学で注目を集めるトポロジー概念との関係が未だ開拓されていない力学的効果に注目し、電子の波動関数の幾何学的位相(ベリー位相)に由来する力学現象の開拓を目指して研究を行った。 本研究課題の遂行の過程で有望な試料と見出された磁性体カンチレバーにおいて幾つかの研究成果を発表した。特筆すべき成果として、スピン流の緩和に誘起されるカンチレバー振動を世界初観測し、学会発表を行い、論文として投稿した。現在論文査読中である。 本課題の研究期間内に代表者が二度の異動を行い、研究環境が大きく変化することになった。新天地において新たな研究課題としてベリー位相と関係した機械効果の一種である磁気圧電効果の研究を始めた。磁気圧電効果は、最近理論的に提案された磁性金属における圧電応答であり、通常絶縁体や半導体でしか観測されない圧電効果が、磁性を利用することで金属でも観測されることを特徴とする。物理的には磁性絶縁体の電気磁気効果と類似性があり、トポロジー効果と関係した成分が存在することが理論的に指摘されている。磁性カンチレバーの機械変形計測で培った実験技術を用いて研究期間内において複数の物質試料で計測をトライし、速報として反強磁性金属EuMnBi2における磁気圧電効果の世界初観測について報告した(Phys. Rev. Lett. 122, 127207 (2019))。世界初の観測は画期的な成果ではあるが、その効果はEuMnBi2においては一般的な圧電材料の圧電応答よりも非常に小さく、また低温でしか観測されなかった。トポロジーに関係した成分は外部磁場を印加することで増幅させられると期待されるため、今後さらに研究展開してトポロジーに関する力学効果の開拓を継続して行っていく予定である。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|