2018 Fiscal Year Annual Research Report
自己校正型ロータリエンコーダを利用した大口径三次元絶対形状測定システムの開発
Project/Area Number |
17H04901
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
近藤 余範 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (10586316)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 形状測定システム / ペンタミラー / Dual mirror pair (DMP) / 平行平板 / 角度測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに参照鏡を用いない角度測定に基づく形状測定機(SDP: Scanning Deflectometry Profiler)を開発した。従来システムでは、ペンタゴンミラーを利用して角度測定ビームを垂直入射させていた為、透明材料を測定対象とする場合、裏面からの反射ビームが測定ビーム(試料表面からの反射ビーム)と重なってしまい、測定不能となる領域が存在する。そこで、ペンタゴンミラーを改良した Dual mirror pair (DMP)を導入し、裏面反射ビームを空間的に分離する斜入射光学系システムを開発した。具体的には、ペンタゴンミラーの設置角度(45°)を変更した二組のミラー対を利用し、測定ビームを試料表面に斜めに入射させることで、裏面反射ビームの位置をずらすことにより、その影響を除去する。DMP を用いた光学システムは、レーザー光源と角度検出ユニットを分離することで平行平面基板の測定を実現する。これは、レーザービームを直接用いた独自の角度測定装置を適用した形状測定システムによって実現できる。一方、市販のオートコリメータを用いた多くの形状測定システムでは、平行平面基板を測定することは不可能である。 開発したDMPを用いた光学システムの妥当性を検証するため、透明の平行平板(P-V値約300 nm)の測定を実施した。測定範囲90 mmの試料に対して、10回測定の繰り返し性は±0.7 nm以下であり、裏面反射が存在する対象に対しても高精度な測定が可能であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペンタゴンミラーを改良した Dual mirror pair (DMP)を導入し、裏面反射ビームを空間的に分離する斜入射光学系システムを開発した。実際に開発したDMPシステムを導入した形状測定システムを構築し、実測結果より、開発システムの妥当性も検証された。
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Strategy for Future Research Activity |
三次元平面度測定(平成29年度課題)、平行平板の測定(平成30年度課題)について、システムの構築を実施した。今後、より自由曲面(高傾斜試料)の測定に取り組む。また、異なる原理の測定装置との比較測定より、構築システムの妥当性検証も進める。
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