2020 Fiscal Year Annual Research Report
Examining larval dispersal and speciation of Indo-Pacific coral reef organisms through population genomic analysis
Project/Area Number |
17H04996
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
安田 仁奈 宮崎大学, 農学部, 准教授 (00617251)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 幼生分散 / サンゴ礁生態系 / 海洋保護区 / 種分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に発見したアオサンゴ3グループ内にあるサブクレード間の生理学的生態学的な違いを明らかにするべく、黒潮流域におけるアオサンゴに生息する系統解析でさらに細かく分かれたサブクレードに着眼して、生息域全般にわたる集団遺伝解析および褐虫藻数の計測、石灰化速度の違いを調べた。その結果、サブクレード間で、生理学的生態学的にも特徴が異なっており、局所的な環境に応じて生態学的な種分化の過程にあることが推定された。以上から長らく1目1科1属一種と考えられていたアオサンゴには、まず異所的な種分化によって生じたと考えられる3グループが存在し、それらが同所的に生息する場所では、生殖時期の異時性が生殖隔離に寄与していること、さらにその3グループそれぞれには、局所的なサンゴ礁地形に応じた生態学的な種分化が起きていることが示唆された。 オニヒトデに関しては、先進ゲノムで全ゲノム配列をシーケンスしていただき、東工大伊藤研究室に解析していただいた結果、インド洋太平洋各地のオニヒトデは地域ごとに過去の気候変動時に異なる集団史をたどっていることが分かった。特に12.5万年前の現在以上の急激な温暖化が起きた時期には、西太平洋のオニヒトデ集団において集団サイズの増加が見られた。一方、全ミトコンドリア配列を用いた解析によると、オニヒトデの太平洋種の起源は東太平洋側に存在することが推定された。さらに、全ゲノム解析から偶然的にインド太平洋のオニヒトデ全てと共在する系統的にも単一菌種がバイオフィルムを作っている点でもユニークな共生細菌が存在することを発見した。 温帯域まで分布する造礁サンゴに関しても、過去の気候変動の際に、最北限域である九州北西と、館山などの北東に過去のレフュージアが存在していたこと、温暖化で更新された最北限域では、褐虫藻・ホストのサンゴともに遺伝的にユニークな特徴を持つことが明らかとなった。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|