2019 Fiscal Year Annual Research Report
Interactions between sensory and emotions for chronic pain
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17H05074
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
古賀 浩平 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50768455)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性疼痛は、痛みの持続的な入力と痛み刺激が惹起する負の情動の2つの側面から構成される複雑な疾患である。これら2つの側面が相互に作用して慢性疼痛を増悪している可能性が考えられるが、痛みの入力と負の情動がいかに相互作用しているかのシナプス機構は不明であった。我々はこれまでに、前帯状回皮質において興奮性シナプスの長期可塑性であるシナプス長期増強が、慢性疼痛による痛みの入力と不安を形成するシナプス可塑性であることやGABAシナプス伝達が慢性疼痛で減弱することを明らかにしてきた。 本年度は、前帯状回のシナプス伝達を制御することで慢性疼痛モデルの感覚過敏行動が改善できるかについて調べた。特に、アセチルコリン作動性神経は前帯状回を含む脳の広範囲に投射して抗侵害効果を示すことを既に報告していることから、慢性疼痛モデルの過敏行動を改善するかを検討した。ラットの左座骨神経を部分的に結紮する疼痛モデルを作成した。このモデルは、機械刺激に対する感覚過敏が少なくとも30日以上続いた。そして、ムスカリンM1受容体の作動薬を疼痛モデル7日後の前帯状回の片側もしくは脳室内に局所投与すると、機械性過敏行動が改善された。次に、GABAA受容体の作動薬を疼痛モデルの前帯状回に局所投与すると過敏行動を改善した。さらに、前帯状回におけるムスカリンM1受容体作動薬による過敏行動の改善効果は、GABAA受容体の拮抗薬で阻害された。一方、M1受容体作動薬の脳室内投与による過敏抑制効果は、GABAB受容体を介することが明らかとなった。 以上の結果から、前帯状回および脳室内におけるM1受容体の活性化による機械性過敏行動の改善は、GABAシナプス伝達を介する可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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