2017 Fiscal Year Annual Research Report
リソソーム蓄積病とオートファジー病の病態の包括的理解と治療法の開発
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17H05088
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
大友 孝信 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20742589)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リソソーム / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
リソソーム病は細胞小器官であるリソソームの機能不全で生じる主に小児期に発症する遺伝性の希少疾患である。一方オートファジーは普遍的に保たれた細胞内の分解システムであり、オートファジーによる分解の最終過程にはリソソームの働きが不可欠である。エンドサイトーシスで細胞外から取り込んだ物質の処理にもリソソームの働きが重要である。本研究計画ではリソソーム病、オートファジー病、細胞内輸送系の障害の共通点を見出し、病態を包括的に理解することでリソソーム病の治療法を開発することを目的としている。
当初の研究計画に基づき、本年度はリソソーム病のモデル細胞の作製を行った。CRISPR/Cas9システムを用いてリソソーム関連遺伝子(リソソーム酵素、細胞内輸送に関わる分子、膜タンパク)をノックアウトした。現在のところ約30種類のセルラインの作製を完了し、一部それらのキャラクタライゼーションをWestern Blottingや免疫染色などで開始したところである。リソソーム病のモデル細胞のいくつかででオートファジーの機能を観察したところ、一部の種類でのみ障害が明らかであった。この結果は従来世界中から報告されてきた内容と一部異なる非常に興味深い結果であり、同一セルラインを用いた研究でなければ発見することのできない事実である。
来年度以降は、作製が完了したリソソーム病や細胞内輸送系に障害があるセルラインを用いて横断的に表現型の解析を行い病態のあぶりだしをすすめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、ノックアウトセルラインの作製と同時平行でそれらの細胞の表現型の解析を行い、以降順次ノックアウトセルラインの種類を増やしていく計画であったが、本研究の拡がりを考えると多方面での表現型の比較を(パイロット実験として)スクリーニング的に行う必要があると考えたため、本年度はまずはセルラインの作製に集中し、数がそろってから本格的な解析に着手することとした。従って計画を行う順序を入れ替えた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、出来上がったセルラインの表現型解析を行っていく。
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