2018 Fiscal Year Annual Research Report
Search for novel modulators of cereblon, the target of thalidomide that regulates neural stem cell proliferation and deifferentiation
Project/Area Number |
17H06112
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
半田 宏 東京医科大学, 医学部, 特任教授 (80107432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雄輝 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (50345360)
柴田 哲男 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40293302)
北 泰行 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (00028862)
林 由起子 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (50238135)
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Project Period (FY) |
2017-05-31 – 2020-03-31
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Keywords | CRBN / セレブロン / サリドマイド / CRBN作動薬 / 脳発生 / 神経幹細胞 / ヒト型ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
(半田)脳の発生過程にCRBNがどのように作用するのかを、ゼブラフィッシュ胚を用いて解析した。CRBNの過剰発現により、sox2陽性の神経幹細胞数が発生初期で増加し、神経幹細胞由来の神経細胞やグリア細胞が増加して頭部が拡大することを明らかにした。神経幹細胞を可視化したゼブラフィッシュトランスジェニック(Tg)系統を用いてCRBN作動薬のスクリーニングを行い、異なる化学構造を持つCRBN作動薬に神経幹細胞の増加活性があることを新たに見出した。CRBN作動薬のヒトにおける効果を解析するために、ヒト神経幹細胞を用いたオルガノイド実験系の確立を行なっている。 (山口)CRL4CRBNの新規基質の同定を目指して、相互作用に基づいたプロテオミクス解析を行った。CRBN/DDB1固定化ビーズをポマリドマイド(Pom)の存在・非存在下でheavy/medium/lightアミノ酸標識MM.1S細胞抽出液とインキュベートし、結合タンパク質をSILAC法により解析した結果、30個程度の基質候補タンパク質が同定された。 (柴田)CRBN・サリドマイド(Thal)複合体から誘引される新規タンパク質を見出すべく,Thal芳香族部分の水素一つずつをフッ素原子に置き換えたものを合成した。Thal,Pom,レナリドミド(Len)の代謝物から誘導されるフッ素体の合成に成功し、前駆体も含め生理活性試験サンプル25検体以上の合成に成功した。またタンパク質分解誘導薬の開発を目的としたThal・メトトレキサート複合体の合成に成功した。 (北)2017年度に引き続き、更に20種類の新規作動薬の合成設計を検討し、12種類の合成に成功した。 (林)ゼブラフィッシュCRBN ノックアウト(KO)と同時にヒトCRBNを発現するヒトCRBN Tg系統を開発するため、ヒトCRBN Tg系統の作製とCRBN KO系統の作製を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(半田)ゼブラフィッシュ胚をモデル系として、CRBNが脳の神経幹細胞の増殖を制御し、CRBNの過剰発現は、神経幹細胞数を増加させ、頭部を拡大させる作用があることを明らかにした。この結果は、CRBNの活性を促進するCRBN作動薬が、脳の神経幹細胞の増殖を制御する新規化合物として有用であることを強く示唆する。また、Shibata#2とは異なる化学構造を持つCRBN作動薬が神経幹細胞を増加させる活性があることを新たに見出している。 (山口)CRL4CRBNの新規基質の同定を目的としたプロテオミクス解析を行った。まずはproof-of-conceptを得るため、多発性骨髄腫由来のMM.1S細胞を用い、CRBN作動薬としてはポマリドマイドを用いてSILAC解析を行った結果、2000以上のCRBN/DDB1結合タンパク質が同定された。そのうち30個程度はポマリドマイドの存在下で顕著に結合量が増加し、ポマリドマイド依存的な基質であることが示唆された。 (柴田)計画した化合物18種のうち現在10種の合成に成功し,新たにタンパク質分解誘導薬物質も合成した合成成果に追加し,サリドマイドの不斉炭素と生物活性にまつわる「サリドマイドパラドックス」を生体内自己不均一化現象にて説明出来ることを見つけた。これらの成果は新聞紙上で大きく取り上げられた。 (北)合成に成功した新規12種類の化合物のうち、3種はCRBNと強く結合することが判明した。 (林)今年度は、ヒトCRBNトランスジェニックゼブラフィッシュ(Tg)系統を確立し、そのホモ接合体も確立した。導入したヒトCRBN遺伝子の機能を解析するため、CRISPR-Cas9システムを用いて、ゼブラフィッシュCRBN遺伝子を欠損させた(KO)モデルフィッシュの作製も試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
(半田)ヒトCRBN遺伝子のみを発現するゼブラフィッシュTg系統を用いて、新規CRBN作動薬のスクリーニングを行うと共に、新規CRBN作動薬の神経幹細胞の増殖制御に関する機能解析を行う。また、ゼブラフィッシュで同定されたCRBN作動薬のヒトにおける効果を明らかにするために、オルガノイド実験系を用いてヒト神経幹細胞に対する作用を解析する。 (山口)SILAC解析で同定された基質候補タンパク質に関する解析を行う。特に、Znフィンガーモチーフを有する転写・エピジェネティクス制御因子が多数同定されたので、CRBN作動薬に果たす転写・エピジェネティクス制御の役割という観点で研究を進める。また、POCが得られたので、細胞やCRBN作動薬の種類を変えて新規基質の探索・同定を平行して行う。 (柴田)これまで合成したフッ素化サリドマイドおよびタンパク質分解誘導薬とCRBNの結合から誘引される生物学的結果をフィードバックし,医薬候補物質を見出すべく進める。 (北)CRBN作動薬として得られた新規3化合物について、神経幹細胞に対する作用をゼブラフィッシュTg系統を用いてスクリーニング研究を行う。 (林)ヒトCRBN遺伝子のみを発現するゼブラフィッシュTg系統を開発し、ヒトCRBNがゼブラフィッシュの生体内でも機能するかどうかを解析すると共に、開発したヒトCRBN Tg系統を用いて、ヒトCRBNと結合する薬剤の探索や、薬剤を介して結合する新たな基質の探索を進めていく。
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Research Products
(62 results)
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[Journal Article] Cereblon control of zebrafish brain size by regulation of neural stem cell proliferation.2019
Author(s)
Ando, H., Sato, T., Ito, T., Yamamoto, J., Sakamoto, S., Nitta, N., Asatsuma-Okumura, T., Shimizu, N., Mizushima, R., Aoki, I., Imai, T., Yamaguchi, Y., Berk, A.J., and Handa, H.
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Journal Title
iScience
Volume: 15
Pages: 95-108
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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