2017 Fiscal Year Annual Research Report
長鎖長次世代シークエンサによるイネ育種におけるゲノム動態と進化基本過程の理解
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17H06246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井澤 毅 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (10263443)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | MinION / イネ / 品種来歴 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、コシヒカリを8フローセル分解析をし、イネゲノムにして、depthが10程度で、平均長が約8kbpの長さのゲノム配列を得た。last-splitでマッピングし、depthが、8~25程度のDepthを採用し、その中で、変異が存在を支持するratioが大きいものだけを採用しても、日本晴とコシヒカリの差が12万程度の多型になり、かつ、同時に得たイルミナと比較し、イルミナが正しい配列を提供しているとするとMinIONで支持される配列の1/3程度しか信頼できないという大きな問題が分かった。これは、マッピングのソフトの改良も有意義ながら、それ以上に、BaseCallingの精度環ゲル必要があると考えられる。 一方で、last-splitで、複数個所にヒットする配列を、フィルタリングを工夫することで、より信頼度の構造変異の配列候補を得ることができている。数~十数キロの挿入・欠失を見出すのに適しており、挿入や欠失のような比較的大きなゲノム構造の変化を見つけるには、十分なデータであることを確認した。これまでに、約数十か所の5~15kbpの挿入・欠失か所の候補を見出している。コシヒカリ以外の品種も一部解析を進めたが、まだ、十分なDepthを得ていない。シングルリードの精度が9割を切っていて、かつ、depthが10でも配列に多くのミスがあるのは想定外であり、新技術とは言え、新しいバージョンのフローセルが発売されるまで、大きな改善は期待できないと考えられる。また、VCコールの精度を上げる可能性があるので、minimap2や、最近の論文等で評価が高い、VCコールソフトの利用を現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初期待していたDNA配列の精度を、市販のMinIONでは得られなかったので、イルミナのshort-readとの組み合わせで配列解析をするように計画を見直した。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度は、コシヒカリの親品種、兄弟品種7系統を用い、MinION解析を計画している。得られたデータは、ゲノム構造の変化の検出に特化し、同時に、イルミナのNGS解析を進めることで、コシヒカリの来歴に関して、ゲノムの変化、とくに育種時の相同組み換えの場所と新規突然変異の選抜に関して、正確な選抜過程を確定する。
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