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2018 Fiscal Year Annual Research Report

Historical Sociology of the "Coach Discourse" in Extracurricular Sport Activities

Research Project

Project/Area Number 17H06539
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

下竹 亮志  筑波大学, 体育系, 特任助教 (70801299)

Project Period (FY) 2017-08-25 – 2019-03-31
Keywords運動部活動 / 規律 / 自主性 / 教育的技法 / フーコー
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度は、運動部活動の指導者が著した自伝や評伝(=指導者言説)を分析するための枠組みの精緻化をまず試みた。これまで、中心的な教育的価値として議論の対立軸だった「規律」と「自主性」に着目し、その二項対立的な把握の仕方を乗り越えることが本研究の一貫した課題であった。そのために、本研究ではフランスの思想家であるミシェル・フーコーの議論を参照した。具体的には、後期フーコーの統治性論における自由と安全の作用と戦略の論理の視座から、「規律」と「自主性」を「教育的価値」ではなく生徒の振る舞いを導く「教育的技法」として捉える必要性を指摘した。そうすることで、一見相反する「規律」と「自主性」を、どちらか選び取るべき「教育的価値」ではなく、生徒の振る舞いを導くための「教育的技法」として両者の関係性をも含んだ分析が可能になるからである。
その上で、1970年代半ばから1980年代の「指導者言説」を分析した。そこには、3つの特徴的な語りを見出すことができる。まず、当時の生徒の利己主義、無気力、無感動、無関心といった問題が認識されるなか、「人間教育」としての運動部活動という主題が浮上していたこと。次に、そのような状況において、一方では「自主性」が指導者の課す厳しい練習等の「規律」それ自体に向かって発揮されるべきものとして語られていたこと。しかし他方で、「規律」を中心とした指導の困難さが語られるなか、指導者たちは練習と試合を住み分け、前者に「規律」を後者に「自主性」を割り振るという手法に活路を見出したことである。ここに、「規律」と「自主性」の配分問題という、これまでの研究で着目されてこなかった新たな問題設定を見出した。これは、指導者の規律的指導によって自主性が奪われているという単純な見方を退け、運動部活動がある種の自由さを生み出しながら、日本社会に位置づいてきた可能性を示唆する成果である。

Research Progress Status

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 2018

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 運動部活動における「指導者言説」の歴史社会学序説―教育的技法としての「規律」と「自主性」に着目して2019

    • Author(s)
      下竹亮志
    • Journal Title

      スポーツ社会学研究

      Volume: 27 Pages: 59-73

    • DOI

      https://doi.org/10.5987/jjsss.27-01

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 運動部活動の指導者は何を語ってきたのか?2019

    • Author(s)
      下竹亮志
    • Journal Title

      日本体育学会第69回大会体育社会学専門領域研究会報告書

      Volume: ― Pages: 5-8

  • [Presentation] 運動部活動の指導者は何を語ってきたのか?2018

    • Author(s)
      下竹亮志
    • Organizer
      日本体育学会第69回大会体育社会学専門領域研究会
    • Invited
  • [Book] 石坂友司・松林秀樹編、『一九六四年東京オリンピックは何を生んだのか』2018

    • Author(s)
      下竹亮志
    • Total Pages
      252
    • Publisher
      青弓社

URL: 

Published: 2019-12-27  

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