2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of cytokine profiles produced by B cells in CTCL
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17H06634
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
管 析 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80704329)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 皮膚T細胞リンパ腫 / B細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚T細胞リンパ腫(Cutaneous T cell lymphoma: CTCL)の腫瘍環境におけるB細胞の役割はいまだ明らかになっておらず、本研究の目的はCTCLにおいてB細胞がサイトカイン産生やT細胞との相互作用を介して腫瘍環境の構築または腫瘍免疫抑制に寄与していることを明らかにすることで、CTCLに対する新規治療法に結び付けることであった。当科のCTCL専門外来に通院中の患者から採血により回収した末梢血から単核球を分離し、抑制系のサイトカインであるIL-10に着目してその発現を調べた。CTCL患者では健常人と比較して有意にIL-10産生B細胞の割合が低下していた。また、IL-10産生B細胞を豊富に含むと言われているCD24hiCD27陽性B細胞の割合およびCD24hiCD38hiのB細胞の割合も同様に低下していた。CTCLの病勢マーカーである可溶性IL-2受容体の値とIL-10産生B細胞の割合は逆相関しており、IL-10産生B細胞が少ないことがCTCLの腫瘍環境の構築に寄与していると考えられた。今後もまずはCTCL患者の検体を用いた実験を続ける予定である。IL-10同様にIL-35、TGF-betaなどの抑制系サイトカイン、IL-4、IL-6などのTh2サイトカイン、GM-CSFやIL-1beta、IFN-gammaなどの炎症性サイトカインの発現を健常人と比較する。引き続きCTCLの腫瘍構築に関与している分子やサイトカインが明らかになれば、それをターゲットとした新規治療の開発につながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度中にCTCL患者の末梢血中のB細胞におけるGM-CSFやIL-1beta、IFN-gammaなどの炎症性サイトカイン、IL-10やIL-35、TGF-betaなどの抑制性サイトカイン、IL-4、IL-6などのTh2サイトカインの発現を全て見る予定にしていたが、まずはIL-10の発現のみを確認した。今後は全てのサイトカインの発現を同時に見ることで、一気に結果を出すことができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上記のサイトカインの発現を同時に見ることで、一気に結果を出すことができると考えられる。その次のステップとして所有しているリンパ腫細胞株を用いて、リンパ腫細胞株とサイトカイン産生B細胞を共培養する系でin vitroにおけるB細胞の腫瘍細胞への直接の影響を検討する。次に、CCL17遺伝子導入マウス、CCL27遺伝子導入マウスを用いてin vivoにおけるB細胞の腫瘍環境への関与を検討する。これらのマウスではTh2の反応が増強しているので、Th2にシフトしたCTCL患者の病態に近い状態でのサイトカイン産生B細胞の役割を明確にできると考えられる。
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