2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of research platform on mechano-biology of oral mucosa by manipulating the physical properties of collagen scaffold
Project/Area Number |
17H06696
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
上野山 敦士 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (40804571)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | 口腔粘膜3次元インビトロモデル / メカノバイオロジー / 口腔粘膜上皮細胞 / DEJ / ヒアルロン酸 / 足場材 / ヤング率 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織・細胞のメカノバイオロジー応答を操作するバイオマテリアル開発は、再生工学に用いる細胞外基質や足場材と、細胞・組織間相互作用の調節や最適化のための重要な基盤技術となり得ることが予想されるが、口腔粘膜のメカノバイオロジーに関する知見はほとんどない。そこで3次元口腔粘膜in vitroモデル作製基盤技術に物理的操作を加えることで解析用ツールとして応用すれば、口腔粘膜メカノバイオロジーの研究基盤が構築できると考え、本研究では魚うろこI型コラーゲン製足場材に、ヒトの口腔粘膜結合組織の成分として存在するヒアルロン酸を添加することで、足場材の物性が改変されるかをまずテストする予定であった。平成29年12月、足場材に各々0.5、1.0、2.0%の低分子ヒアルロン酸を添加した試料を作成する予定であったが、予想に反して低分子ヒアルロン酸を添加した際に足場材の成分であるコラーゲンとうまく調合できなかった。コラーゲンの専門家の意見を求めたところ、コラーゲンの架橋方法を変えた上で高分子ヒアルロン酸使用してはどうかという助言を受けた。そのため高分子ヒアルロン酸添加足場材の作成が必要になり、繰越し申請を行い受理されたので、当初の実験計画より後戻りになるが、コラーゲンへのヒアルロン酸の添加を試みた。実際にやってみると、ヒアルロン酸とコラーゲンが非常にイオンコンプレックスを作り易く、出来上がったコラーゲン足場材も、他のプロテオグリカン(たとえばコンドロイチン硫酸)のように均一になっているかの判断が難しく、一様なコラーゲン足場材作成に相当難渋した。要は、単にコラーゲンとヒアルロン酸を混ぜるだけでは不均一な足場材しか作成できないことが続いた。したがって、混ぜ方を変えて作成を試みたところ、ヒアルロン酸濃度は、溶液の粘性の観点からコラーゲンに対して10%であれば均一な足場材が作成可能であることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ヒアルロン酸の1%コラーゲン溶液への添加によって足場材の作成という本課題の最も基本的な計画部分でてこずってしまい、細胞を播種する段階まで到達できなかったが、ようやくヒアルロン酸とコラーゲン溶液を均一に添加できる方法を見出せた。残念ながら、残り時間を考えると、メカノバイオロジーの免疫組織化学的解析までは実施できそうにない。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定の濃度のヒアルロン酸を魚うろこコラーゲンに添加することは不可能であった。したがって、物性そのものの検討はある程度諦め、不織布を押圧することで3次元的な凹凸構造を付与した生体模倣した足場材を作成し、3DOMMの生物学的解析を中心に解析を行う予定である。
|