2017 Fiscal Year Annual Research Report
中英語聖人伝写本の編纂にみる中世後期英国のナショナル・アイデンティティの形成
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17H06708
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
菅野 磨美 金沢大学, 国際基幹教育院, 助教 (20805329)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 中世英文学 / 中世研究 / 中英語聖人伝 / 写本研究 / ナショナル・アイデンティティ / 聖人 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、二か年計画において、前半は写本の調査を中心とする課題に取り組み、後半は写本の分析を基にしたテクストの精読によって、中世後期イングランドにおけるナショナル・アイデンティティの形成について考察する。2017年度は、当初の計画通り、イギリスの聖人・聖女伝を収めた中英語・ラテン語聖人伝集の全体像の把握(課題1)、対象写本の調査・選定(課題2)、未刊行テクストの校訂・編集(課題3)に取り組むことを計画した。 課題1と2に関しては、国内で写本のカタログや二次文献を参照しながら、対象写本を選定した。その後、春季休暇中に、大英図書館で、イギリスの聖人・聖女伝を収めた中英語とラテン語による聖人伝集の4点の写本の調査を行い、データを収集した。この調査中に、研究課題に関係する写本1点について、既存の校訂本の誤りを見つけることが出来た。 年度内に課題3のテクストの校訂・編集作業には取り掛かれなかったが、来年度に向けて必要な写本から、転写・編集し、校訂テクストを作成する準備を行っている。 また、これらの調査でインプットした結果を考察するとともに、来年度以降の研究発表や論文執筆のアウトプットに向けた準備を行った。渡英中に現地の研究者と面会し、研究課題やその発表に関する助言を仰いだ。また、海外の大学でのプロジェクトが企画する来夏の国際学会のセッションに応募し、発表することが決定している。この学会での成果発表にむけて、渡英中は、写本調査の他に、特定の聖人崇敬について調査するため、ヨークシャーの大修道院跡や教会、博物館に赴き、フィールドワークを行い、資料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度は、イギリスの聖人・聖女伝を収めた中英語聖人伝集の全体像の把握(課題1)、対象写本の調査・選定(課題2)、未刊行テクストの校訂・編集(課題3)に取り組むことを計画したが、半年のあいだに課題1と2を進めることはできたものの、課題3に関しては十分な時間が取れず、来年度に持ち越すことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は主に調査等インプットに時間を割いたが、来年度は学会発表や論文等の出版など、積極的に成果を発表することを目標にしたい。
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