2017 Fiscal Year Annual Research Report
簡約型等質空間と非簡約型等質空間のコンパクトClifford-Klein形
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17H06784
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森田 陽介 京都大学, 理学研究科, 助教 (70804318)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 幾何学 / Lie群 / 等質空間 / 固有な作用 / Cifford-Klein形 |
Outline of Annual Research Achievements |
SL(p+q, R) の離散部分群 Γ に対して、Γ が簡約型等質空間 SL(p+q, R)/SO(p, q) に固有かつ余コンパクトに作用することと、非簡約型等質空間 SL(p+q, R)/SO(p, q)_θ に固有かつ余コンパクトに作用することは同値である。こうした現象がなぜ起きるのかを考察し、類似の例を系統的に見つけることを目標として研究を行った。 半単純対称空間は簡約型等質空間の中でも特に良いクラスであり、精緻な構造論が確立されている。そこで2017年度は G/H が半単純対称空間の場合を考察した。H のassociated対称部分群が非コンパクトな中心を持つときに、制限ルート系の強直交ルートを用いて、作用の固有・余コンパクト性に関して G/H と同じ振る舞いをする非簡約型等質空間 G/H_θ を定義することができた。この G/H_θ がコンパクトClifford-Klein形を持たないことは簡単に証明でき、そのことから G/H もコンパクトClifford-Klein形を持たないと分かる。 この種の G/H がコンパクトClifford-Klein形を持たないことは、研究代表者の過去の研究によって既に分かっていた。しかし既知の証明はLie環のコホモロジーとde Rhamコホモロジーを比較する手法を用いたものであり、今回得られた証明とは大きく異なっているように思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で予定したとおり、半単純対称空間の場合に一定の結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度の結果をもとにして、半単純対称空間とは限らない、一般の簡約型等質空間の場合を探求していきたい。今のところ、下記の2通りの手法が有力であろうと考えている: 1) 閉部分群の共役極限を用いた、幾何学的な視点からのアプローチ。 2) Cartan運動群を用いた、表現論的な視点からのアプローチ。
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Research Products
(5 results)