2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the role of intracellular Zn2+ in periodontal disease.
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17H06852
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八木 寛子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (20806864)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 歯周病 / 酸化ストレス / 亜鉛イオン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歯周病病態における歯周組織構成細胞内の亜鉛イオン濃度の変動およびその影響について検討した。これまで、マウス歯根膜細胞株、ヒト歯根膜細胞株およびヒト歯肉上皮細胞株において、酸化ストレス(過酸化水素: 10~1000μM)は細胞内非タンパクチオールからの亜鉛イオン遊離を促進することで、細胞内亜鉛イオン濃度を上昇させることを明らかにしている。今年度は、酸化ストレスによる細胞内亜鉛イオン濃度上昇のメカニズムを更に検討した。過酸化水素 300μMおよび塩化亜鉛 30μMの共刺激を行い、蛍光顕微鏡にて観察したところ、過酸化水素単独刺激よりもFluoZin-3 AM蛍光強度が増強した。この結果から、酸化ストレスは細胞膜の亜鉛イオン透過性を亢進し、細胞内亜鉛イオン濃度上昇に寄与することが示唆された。以上から、酸化ストレスは細胞内亜鉛イオン貯蔵部位からの亜鉛イオンの遊離および細胞膜の亜鉛イオン透過性を亢進することによる細胞外からの亜鉛イオンの流入を促進することにより、細胞内亜鉛イオン濃度を上昇させることが示唆された。 次に酸化ストレスによって誘導される細胞内亜鉛イオンの作用について、ウエスタンブロッティング法およびreal-time PCR法を用いて評価した。歯根膜細胞株および歯肉上皮細胞株において、過酸化水素 (300μM)はMAPKカスケードおよびAktシグナルの亢進を認め、細胞内亜鉛イオンキレート剤 TPEN (5~10μM)はこれらを抑制した。また、歯肉上皮細胞において、過酸化水素はIL-1Bなどの炎症性サイトカインの産生を促進するが、TPENはこれらを抑制した。以上から、酸化ストレスによって誘導される炎症性シグナルの活性化に、酸化ストレス誘導性細胞内亜鉛イオンが関与している可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)