2017 Fiscal Year Annual Research Report
大規模アンテナアレイによる高速かつ非同期な広帯域通信方式の確立
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17H07036
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
石川 直樹 広島市立大学, 情報科学研究科, 助教 (00801713)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 無線通信 / 情報理論 / 大規模アンテナアレイ / 差動符号化 / 非同期検出 / 空間変調 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模アンテナアレイシステムにおいて、高い送信レートを維持したまま非同期検出を可能とする差動符号化方式について研究した。平成29年度の成果は計5本の論文として国際論文誌に投稿した。現在3本が採録判定となっており、すべて国際共著論文である。採録された3本の成果について概要を以下に記す。 [成果1] 差動符号化方式一般の制限付き通信路容量を導出 [成果2] 拡大体に基づく非直交差動空間変調を提案 [成果3] 関連研究すべてを網羅するチュートリアル論文を発表 [成果1]ではこれまで明らかにされてこなかった差動符号化方式の制限付き通信路容量を導出した。送信信号の位相に制限を加え、送信機の簡易化および検出器の高速化を実現した。[成果2]では申請者らが提案してきた差動空間変調を拡張し、複数系列の独立処理が可能となる軽量検出器を提案した。直前の受信信号を蓄えて送信シンボル検出に活用する点が特徴的である。[成果3]では同分野の研究者が申請者らの提案方式を理解し、シミュレーション結果を容易に再現可能とするチュートリアル論文を発表した。これは申請者の博士論文に基づくものであるが、本研究課題の現時点での成果を全て含めて紹介している。関連して、国内において招待講演の機会を賜われたので、空間変調の変遷と応用例について計2件の発表を行った。また、関連研究の査読を積極的に引き受け、IEEE Transactions on Communicationsの模範的査読者(exemplary reviewer)として認定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では平成29年度中に成果1のみを明らかにする予定であったが、先に述べた通り想定よりも多くの成果が得られた。採録には至っていないが、本研究課題の核となる成果をIEEE Transactions on Communicationsに投稿済みであり、平成30年度中に計画を上回る成果が得られる見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は申請者が独自に提案した差動符号化コンセプトに基づいており、世界に先行した成果が得られている。今後も積極的な国際論文誌投稿を通して、同分野の研究者に周知し、応用先を広めていきたい。
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Research Products
(8 results)