2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H07114
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
藤井 貴之 玉川大学, 脳科学研究所, 科研費研究員 (40804000)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 向社会的行動 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
Social Mindfulness Taskにおける多数派選択には複数の動機(共感性と評価懸念)が混在すると考えられるが、これまでの研究ではこれらの動機を弁別する客観的方法がなかったため、分離して検討することはできなかった。本研究ではこの動機の違いを発達的視点・内分泌物質によって理解することを目的として、未就学児と成人を対象とした実験を計画しており、これまでに未就学児を対象とした唾液の採取およびSocial Mindfulness Taskを実施し、成人についても未就学児と同様のSocial Mindfulness Taskと共感性・評価懸念を評価するための質問紙調査を実施している。 先行研究において未就学児を対象としたSocial Mindfulness Taskの研究報告は見当たらず、本研究の成人との比較による発達的な視点からの検討は、向社会性に関わる動機の発達的な変化を捉えるための重要な手がかりになると考えられる。本研究では、未就学児を対象としたSocial Mindfulness Taskを成人と同様の方法で実施しており、発達的視点からの比較が可能と考えられる。今後、十分な実験データが集まった時点で未就学児と成人の結果についての比較・検討を行う予定としている。また、唾液の採取についても先行研究と同様の方法を用いることで、未就学児を対象とした唾液の採取を問題なく実施できることを確かめている。今後、唾液中のオキシトシン濃度の解析を行い、Social Mindfulness Taskにおける多数派選択との関連を検討する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、子どもを対象とした参加者リクルート及びSocial Mindfulness Taskと唾液の採取を実施しており、成人を対象とした実験についても参加者リクルート及び子どもの実験と対応する形での実験データの収集が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
未就学児を対象とした参加者リクルート及び実験を継続し、子どものSocial Mindfulness Taskの成績についてデータ解析を進めていき、未就学児の実験データを対象に解析及び結果のとりまとめを行う。唾液中オキシトシン濃度の解析については、十分な検体の数が集まった時点で、最近の研究知見に基づき解析の妥当性などを検討した上で、外部の研究機関等に依頼する予定である。 また、成人を対象とした実験についても、参加者リクルート及び実験の実施を継続していく。成人の向社会性の指標となる課題の実験データを対象に解析及び結果のとりまとめを行う。成人の唾液中オキシトシン濃度の解析は未就学児の解析結果と比較可能な方法で実施する。その後、未就学児の解析結果と成人の解析結果の比較・検討を行い、未就学児と成人の多数派選択の動機の違いを明らかにする。
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