2017 Fiscal Year Annual Research Report
免疫回避型PMO/DNAナノ構造体の創製とDDS応用
Project/Area Number |
17H07219
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮本 寛子 愛知工業大学, 工学部, 助教 (80803212)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | DNAナノテクノロジー / アジュバント / ピラミッド核酸 / モルフォリノ核酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
[研究目的]本研究はDNAナノテクノロジーの新たなアプローチとして、天然核酸(DNA)とモルフォリノ人工核酸(PMO)からなるPMO/DNAナノ構造体の創製とその物性を評価し、ドラックデリバリーシステムへ応用展開する。Naddrian C. Seemanらが提唱したDNAナノテクノロジーは、DNAの相補的二重鎖形成と自己組織化によりユニークな構造の形成が可能である。これらの構造体は、DNAの塩基配列に由来する規則的な構造形成とその制御が見込まれる。DNA構造体は生体内での安定性や細胞取り込みの向上が報告されておりDDSキャリアとして非常に魅力的な構造体である。しかしながら、DNA構造体はDDSキャリアとなる可能性を秘める一方で、細胞が持つDNAセンサーに認識され過剰な免疫反応の誘導が懸念される。本研究では、免疫応答を回避するDNA構造体として次世代修飾核酸として開発されているPMOを利用する。PMOはpH7.4の生体条件下で電荷を持たず血中安定性と免疫回避、DNAとの高い結合力を有している。 [研究実施計画]平成29年度はDNAとPMOからなる構造体形成のための材料設計とその合成の2つの目標に絞り研究を遂行し概ね計画通り進展した。<目標1:ピラミッドPMO/DNAナノ構造体の設計と構造体形成>免疫活性を有する配列を導入したDNAとPMOからなるナノ構造体形成とその免疫刺激評価系を整えた。平成30年度はさらに進展することが見込まれる。<目標2:オンデマンド型PMO/DNAナノ構造形成のための ポリエチレングリコール(PEG)と核酸のコンジュゲート体の合成>PMOを利用した新規ナノ構造体創製のためにPEGとPMOまたはDNAのコンジュゲート体を合成した。また、ナノ構造体形成の予備検討を行い構造形成を確認した。平成30年度ではより詳細に構造体形成を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、DNA/PMOからなるピラミッド型ナノ構造体、及び、PMOを利用した核酸構造体の形成のための材料設計とその合成を計画し、当初の計画通りおおむね順調に進展した。さらに予備検討として構造体形成を試みた結果、構造体形成を確認した。平成30年度では構造体形成をさらに詳細に検討しDDSへ応用する予定であり本研究はさらに進展することが想定される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、合成化合物の合成技術とナノ構造体の形成条件の大枠が確立した。平成30年度では、さらに詳細に形成条件を検討し物性評価と細胞評価を行DDS応用を目指す。(下記 、具体的なSTEP1ーSTEP4について記す。) ●STEP1. PMO/DNAナノ構造体の形成と免疫応答評価(H29-現在進行中)[1-1: PMOとDNAからなるピラミッド構造体の形成評価ーネイティブゲル電気泳動を用いた評価(H29確立済)、1-2:免疫応答評価ーマウスマクロファージ細胞株(RAW264.7)を用いて免疫活性評価]●STEP2.コンジュゲート体の材料設計と合成 [2-1: アルキン修飾核酸の合成(H29確立済)、2-2:核酸-PEGコンジュゲート体の合成(H29確立済)]●STEP3. PMO/DNAナノ構造体の形成(H29-現在進行中)[3-1: PMO/DNAナノ構造体の作成、3-2: PMO/DNAナノ構造体の物性評価]●STEP4. PMO/DNAナノ構造体のDDS応用(H30後半検討項目)[4-1:低分子やタンパク質内包検討、4-2:in vitro/vivo評価がん細胞や免疫細胞評価]
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