2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Roma Protection Policy in Croatia under the Process of European Integration
Project/Area Number |
17H07249
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山川 卓 立命館大学, 情報理工学部, 授業担当講師 (10802126)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | ロマ保護政策 / ユーゴスラヴィア / クロアチア / 欧州統合 / ネイション化 / ヨーロッパ化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、前年度に分析した欧州統合下でのロマ保護政策の論理をふまえて、1. 前段階である旧ユーゴスラヴィア時代のロマ運動における近代国家に対する認識、2. 現代クロアチアにおけるロマ保護政策を含むマイノリティ保護の論理、3. かかるマイノリティ保護政策に対するクロアチアのロマの人々の対応を解明することを課題とした。 1. 旧ユーゴ時代のロマ運動は、第二次大戦後の近代化が進むユーゴスラヴィア社会での新世代の知識人によって担われた。そのため、ユーゴの近代化の論理=自主管理社会主義の発展という文脈に応じて運動の目的が設定された。貧困の克服と識字率の向上という社会経済的発展の強調を通じて、社会主義体制でのネイションとしてのロマの承認と、自らのアイデンティティを維持したままの主流社会への統合が目指されたのである。(論文"Romani Movement in Socialist Yugoslavia") 2. そうしたロマ運動が立脚した自主管理社会主義イデオロギーは1990年代のクロアチアでは、独立と紛争に伴う体制転換によって打ち捨てられ、代わりにネイション化とヨーロッパ化の論理による国民国家形成が進められた。ロマ保護政策は、ユーゴ時代とは異なり欧州レベルの国際機関が策定する方針に沿って形成されながら、究極的にはネイション化の論理を追認するものとして展開された。(著作『マイノリティ保護のクロアチア政治史』) 3. その中で、現代クロアチアでのロマの人々による運動は、国内のマイノリティ保護(ナショナル・マイノリティ議会代表、評議会・審議会)制度に適合しながら、欧州レベルで統括されるプログラムへの参加を通じて、国内でのナショナル・マイノリティとしてのロマの地位向上と、トランスナショナルなロマの連帯を追求してきた。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)