2017 Fiscal Year Annual Research Report
Psychological stability process of Yogo teachers who have experienced the death of students
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17H07313
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
大野 志保 活水女子大学, 健康生活学部, 講師 (00802331)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 養護教諭 / 死亡事故 / 心理的安定 / 事故の経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校では日常的に多くの事故が発生している現状があり、児童生徒の傷病はいつどこで発生するか予測することは難しく、一刻を争うケースでは校内の連絡体制や緊急時の連携・役割分担がいかに機能するかにより結果が大きく左右されるといわれている。このような学校の日常で起こる事故は、生命の危機にさらされる人の数は少ないが、特に死亡事故や大きな障害が残るような事故の場合、事故にあった児童生徒と近い関係にあった児童生徒や教職員、事故を目撃した児童生徒や教職員、救急処置にあたった養護教諭などの関係者にとっては大きな危機状態であり、その経験については明らかにされていない現状がある。本研究では、児童生徒の死亡事故を経験した養護教諭への面接調査を通して、死亡事故を経験した養護教諭が事故の事後処理に関わりながら学校全体の子供たちに対応するなかで、心理的安定までにはどのようなプロセスをたどるのかを検討する。 2017年度は、文献収集を行うとともに、日本学校心理学会、日本学校保健学会等に参加して関連研究の最新の情報を収集し知見を深めた。あわせて、所属大学院の倫理審査委員会の承認を経て、研究の目的・意義・方法を文書及び口頭で説明し同意を得られた協力者へのインタビューを行い、データの分析を行った。その結果、養護教諭の心理的負担を軽減し回復を促進させた要因としては、様々な制度の改善によって学校環境が整っていったこと、元気な生徒たちとの日常的な関わりがあったことが挙げられた。また、心理的負担を増強し回復を抑制した要因としては、他者の悲しむ姿や心情に触れたことが挙げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度にインタビュー調査を予定していた研究協力者について、協力者の都合により予定していた時期に調査を行うことができなかった。本研究を遂行するためには、本研究協力者へのインタビビューは不可欠であるため、再度日程調整を行い2018年度に延期して実施することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、本研究において以下の計画で進めていく。 ①2017年度に行ったインタビューデータの分析過程において、データ解釈の妥当性を高めるために大学教員等専門家のスーパーヴァイズを受ける。 ②延期していた研究協力者への面接調査を行い、インタビューデータの分析を進めていく。 ③本研究において得られた成果について、学術学会にて発表し、広く意見・評価を得る。
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