• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2017 Fiscal Year Annual Research Report

子どもの多様性理解および支援のための対話的な教師支援法の開発

Research Project

Project/Area Number 17J00029
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

石島 照代  東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2019-03-31
Keywords教師教育 / 教職研修 / 多様性 / (人間の)弱さ / オープン・ダイアローグ
Outline of Annual Research Achievements

本年度は本研究の基礎固めを行いつつ、研究のアウトプットとして、各種発表に積極的に取り組んだ。結果、査読付き論文1本、シンポジウムにおける話題提供を1回、その他ポスター発表を1回発表した。研究の目的は、「研修者・(支援活動としての)教師研修・研修実施者」の3つの視点に基づいた教師の支援法開発を行うことが目的である。1年目は、研修者と教師研修の2つの視点に基づく2つの検討課題に取り組んだ。
まず、研修者視点においては、研究対象校としての小中一貫校に新任を含む新しく赴任した子どもの多様性理解における困難とその経験過程を検討するために、教員10人(小学校籍4人、中学校籍6人)を対象に、着任直後(4月)、夏休み(8月)、冬休み(12月)、年度末(3月)に継時的インタビューを行い、現在分析を行っている。
次に、教師研修の視点として、教師の「弱さ」や「できなさ」に注目した、多様性理解のための教師の対話的支援法開発のためのアクションリサーチを実施した。全談話データを、私的な内容を扱っていると判断できる「自分の声 (Inner Voice)」と、他者との共有を前提とした公的な内容を扱っている「他者の声(External Voice)」に分類し検討した。
分析の結果として、勝野(2009)は「新任教師は他の教師との競争を過剰に感じ取って、競争を内面化する状況に置かれている」と指摘しているが、本研究では新任教師だけでなくベテラン教師も同様であることが明らかになるなど、幅広い示唆を得ることができた。この示唆は、教師の支援を新任教師以外にも拡大させる必要性を示すことから、教育政策的な観点においても教師の成長を長期的に支えていけるような支援の在り方を検討するためのエビデンスを提供している。このことは、大変有意義な結果になりうると同時に、本研究を強く推進する背景になりうるものでもある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予定していた2つの調査については、無事調査を終了し、次年度へとつなげることができた。調査結果を次年度の研究に活かすため、教員の私的自己(Personal self)と職業アイデンティティ(Professional Identity)に関するレビューを集中的に行った。そのため、予定していたフィンランドの長期渡航は行っていない。行わなかった理由は、調査結果が研究者の予想を超える新奇性が高いものになる可能性が認められたため、広く教員や教職研修に関する研究についての研鑽を積む必要があると判断したためである。
また、査読付き論文1本、シンポジウムにおける話題提供を1回、その他ポスター発表を1回発表した。査読付論文は、本研究の基礎研究の一環として行った教員の能力に関する研究である。この論文は、PIAAC(国際成人力スキル調査)の二次分析論文 (Hanushek, Piopiunik & Wiederhold, 2016) を元に、日本の教員の成人力スキルとしての認知的スキル(リテラシー、数的思考力)の国際比較と教員採用時の成績との関連を考察したものである。
2年目の今年は1本の論文発表と、2つの学会発表を予定しており、その準備もすすめている。

Strategy for Future Research Activity

今年度はおおむね順調に、研究推進のための基礎を作ることに成功した。次年度は今年度分析していたデータの論文化を積極的に行っていく。
具体的には、2つの調査の結果と文献レビューを踏まえ、2年目は対話的な教師支援法のための教職研修開発を実際に行っていくための準備を行っている。この教職研修は1年目と同じ学校で行う予定である。この学校での研究は今年で4年目を迎えることから、学校関係者との信頼関係形成も十分である。しかし、非常に恵まれた研究環境で研究をできていることを、学校関係者に感謝しながら、自分の研究と学校の教員の皆さんの双方にとってよい成果が得られるよう、信頼関係の形成には不断の努力を行いながら準備を進めている。
なお、状況が安定しない学校現場での研究でもあるため、その状況を見越して事前に日程を確保することが難しいところではあるが、フィールドワークの状況を見ながら、海外での研修も行うタイミングも探っていきたい。

  • Research Products

    (3 results)

All 2018 2017 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] PIAAC二次分析に基づく日本の教員の成人力スキルの現状と教員採用政策に関する考察2018

    • Author(s)
      石島照代
    • Journal Title

      文部科学省 国立教育政策研究所紀要

      Volume: 147 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 教師の多忙と子どもの社会経済的背景(SES)の関連の検討2017

    • Author(s)
      石島照代・勝野正章・福畠真治
    • Organizer
      日本教師教育学会
  • [Remarks] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/teruyo_ishijima

URL: 

Published: 2018-12-17  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi