2017 Fiscal Year Annual Research Report
大腿切断者のための健脚側動作情報を利用した大腿能動義足の制御手法の確立
Project/Area Number |
17J00104
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
犬塚 健斗 筑波大学, システム情報工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 大腿能動義足 / サイバニック化 / アタッチメント型 / 4節リンク構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、既存の大腿義足を能動化,サイバニクス化するデバイスの研究開発を実施した. これまでの研究で研究開発された,既存の大腿義足を能動化,サイバニクス化するデバイスであるアタッチメント型サイバニックユニットは,大腿接続部と意図的に自由度を持たせることにより既存の義足への装着を可能としていた.しかしこの方式では数多くある義足のうち回転軸を1つしか持たないものにしか対応できなかった.この問題を解決するため,本年度は新たに大腿接続部と下腿接続部にそれぞれ回転自由度を持たせた4節リンク構造を新たに提案・研究開発した.下腿接続部には回転自由度に加え,特異点回避のために,バネにより常時トルクが加わり,原点に回帰するような力がかかる構造とした. まず3Dプリンタモデルによる試作を行なった.この3Dプリンタモデルにより4節リンク構造により回転軸が1を超える複数の軸の膝継手をもつ義足に対応できることが確認された.そして強度解析を含めた再設計を行い,金属により4節リンク構造を持つ新しいアタッチメント型サイバニックユニットを製作した.同時に制御回路などの見直しをおこない,大幅な軽量化を実現した. 今後は4節リンク構造の力学的特性を明らかにした上で,制御アルゴリズムを確立する.そして,健脚側の動作情報を取得するセンサおよび膝関節角度推定アルゴリズムを研究開発する.これにより健脚側の動作情報を利用した制御を盛り込むことで,本研究の目標である健脚側動作情報を利用した大腿能動義足の制御手法の確立を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では健脚側の動作情報を取得し,それを利用して大腿能動義足を制御することを目指している.最終的にその目標を達成するためには,大腿切断者の協力のもと実証試験を行う必要がある.これまでに研究開発されたアタッチメント型サイバニックユニットは一部の種類の義足にのみ対応可能であった.本年度の研究により複数種類の義足に対応可能となったことから,実証試験を行うにあたり多くの大腿切断者に協力していただくことが可能となった.よって研究は最終的な目標へと概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は4節リンク構造の力学的特性を明らかにした上で,制御アルゴリズムを確立する.そして,健脚側の動作情報を取得するセンサおよび膝関節角度推定アルゴリズムを研究開発する.その後大腿切断者の協力のもと実証試験を行う.これにより健脚側の動作情報を利用した制御を盛り込むことで,本研究の目標である健脚側動作情報を利用した大腿能動義足の制御手法の確立を目指す.
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Research Products
(1 results)