2017 Fiscal Year Annual Research Report
ネコの筋骨格と運動制御を規範とした高運動性能小型四脚ロボットの研究開発
Project/Area Number |
17J00387
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
佐藤 隆紀 電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 脚ロボット / 生物規範機構 / ダイナミック運動 / 運動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,生物の筋骨格構造と運動制御技能をロボットに導入することにより運動性能の高い小型四脚ロボットの開発を目的とする.生物の中でも特に運動能力の高いネコ科の動物の筋骨格に備わる柔軟性を工学的にロボットに導入し,それを有効的に活用できる運動制御をロボットに実装することで,跳躍や走行といった高度な運動を実現する. 本年度は,運動への寄与が最も大きいと考えられる後肢の筋骨格構造を導入したロボット脚の設計・開発を行った.生物の走行や跳躍運動といったダイナミック運動は,全身の筋や腱へのエネルギー蓄積・再利用と,関節間の動力学的な干渉駆動が前提に成り立つ.これらを可能にするために,低減速比の減速機構と電磁モータで構成される新たな関節アクチュエータを開発しロボットに搭載した.また,能動・受動駆動要素が複雑に影響しあう生物模倣脚ロボットのための運動生成手法を開発した.例として前述の脚ロボットモデルを用いて跳躍高さ最大化を目的とした跳躍運動の生成を行い,機構に導入した弾性要素を活用した運動の生成に成功した.生成された運動軌道に基づいた運動制御を二脚ロボットに実装し,跳躍運動を実現した.この運動生成手法はロボットの構成が変わっても適用可能であるだけでなく,機構設計と運動制御を同時に最適化することが可能であり,将来の研究でも使用可能な汎用的なものとなった. また,四脚ロボットへの統合に向けて異なる部位の機構設計に着手した.一連の高速走行運動内の着地時の大きな衝撃を吸収し,そのエネルギーを胴体の推進に活用できる前脚機構を提案し,動力学シミュレーションを用いて機構設計と簡単な運動制御を行い,機構が走行に効果的に働く可能性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は生物規範機構の活用を可能にする後脚機構を完成させ,機構の活用を目的とした運動生成手法を確立できた.生物規範機構を全身に搭載する四脚ロボットの完成には至らなかったものの,四脚ロボットの前脚部についても検討を進めることができ,着実に研究を進めることができた.運動生成手法はモデルや目的の運動が変わっても利用可能であるため,今後の研究をスムーズに進める事ができると期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
生物を規範とした脊椎機構の開発と,四脚ロボットへの統合を行い,生物規範型四脚ロボットを完成させる.また前年度に開発した運動生成手法を四脚ロボットモデルに適用し,全身を使った跳躍運動や走行運動の生成を行う.生成された運動に基づき,実機実験による評価を行う.
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Research Products
(3 results)