2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J00394
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平松 誠 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 地域間格差 / 地域間比較 / 近隣効果 / 社会階層 / 教育達成 / 社会的不平等 / 累積的不利益 / 社会過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本において近隣効果と地域間格差に関する体系的な研究を実施することである。平成30年度に実施した研究は以下の通りである。
第1に、アメリカのハーバード大学社会学部に客員研究員として滞在することで、アメリカでの近隣効果等に関する研究の動向について情報収集を行った。(客員研究員としての滞在期間は2017年9月から2018年5月までである。)その結果、アメリカではライフコース的な研究や因果推論に関する研究が多いなどの知見を得た。第2に、本研究課題に大きく関連する「社会過程」(Social Process)に関する文献レビューを行った。社会とは時間的、空間的に異質なものであるとみなす社会過程に関する議論は、アメリカの近隣効果に関する研究では進んでいるが、日本ではまだ十分な理論的・実証的検討がなされていない。そこで本研究では、日本の社会学への「社会過程論」の応用可能性について検討した。なお、この研究は現在も進行中である。第3に、近隣効果と地域間格差に関する実証研究を進めた。まず、出身地域が地位達成に与える影響について明らかにした。2015年「社会階層と社会移動に関する全国調査」(SSM調査)を用いた計量分析により、地域が個人の階層的地位に影響していることを明らかにした。この研究成果については研究会で報告した。そして、地域が市民参加に与える影響についての英語論文の執筆にも取り組んだ。第1回SSP調査(2015年「階層と社会意識全国調査」)とマクロデータを合併したデータの計量分析より、階層と市民参加が結びついていることや都市度の低い地域と高齢化が進展した地域では市民参加が促されることなどを明らかにした。今後本論文が掲載された書籍が出版される予定である。これら3つの研究を行うことで、日本における近隣効果と地域間格差に関する研究分野に理論的・実証的貢献があったと考えられる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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