2018 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外分泌小胞エクソソームを介した卵巣機能の新規制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
17J00618
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松野 雄太 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | エクソソーム / 卵巣 / 卵胞 / 顆粒膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,哺乳類の卵巣機能の制御について理解を深めるために,個体レベルで卵巣内エクソソームが卵巣機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした. これまでに,卵巣の卵胞内に存在するエクソソームが卵巣機能に与える影響を明らかとするために,研究材料として卵胞が大きく食肉処理場で容易に大量の卵巣が得られるブタをモデルに,卵胞内エクソソームの存在確認と,卵巣機能に重要な役割を果たす壁顆粒膜細胞と卵丘細胞に与える影響の解析を行った.その結果,ブタの卵巣の卵胞内にエクソソームが存在すること,さらに,(1) 排卵に必須の現象である卵丘膨化に促進的な影響を及ぼすこと,(2) TGF-βシグナルの関連遺伝子の発現に影響を及ぼすことを明らかとし,卵胞内のエクソソームが卵巣機能を制御する新たな因子である可能性を見出した. そこで本研究では,卵胞内エクソソームの個体レベルの生理機能を解明するため,まず,(1)卵胞でエクソソームの分泌制御に必要な遺伝子を同定すること.次に,(2)それを標的とする遺伝子改変動物を作製し,(3)その表現型を解析すること.さらに,(4)遺伝子改変動物で観察された表現型がエクソソームの欠損に起因することを解析することとした. 卵胞の主たる体細胞である壁顆粒膜細胞でエクソソームの分泌に必要な遺伝子の同定を完了した.計画当初は,Cre-loxPシステムを用いた卵胞特異的に遺伝子を欠損する遺伝子改変マウスを作製する予定であったが,時間を要したため,上記システムを用いた遺伝子改変マウスの作製には取りかかれなかった.しかしながら,同定した遺伝子における全身性遺伝子改変マウスをCRISPR/Cas9システムを利用して作製し,一部の系統において,卵胞発達に異常が観察されたことから,この表現型にエクソソームが関わっている可能性を見出した.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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