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2017 Fiscal Year Annual Research Report

平安中期における院宮王臣家の領地経営

Research Project

Project/Area Number 17J00680
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

手嶋 大侑  名古屋市立大学, 人間文化研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2019-03-31
Keywords年官 / 荘園 / 平安時代
Outline of Annual Research Achievements

平成29年度は、平安時代中期における皇族・貴族の荘園と国司の任命権である年官の関係を分析した。その結果、平安時代中期における皇族・貴族は、年官を利用することによって、地方有力者との人的ネットワークを形成・良好化し、彼らに荘園管理を任せることで、安定した荘園経営を実現させていたことを明らかにした。
これまで、平安時代中期の地方社会の説明は、国司長官による支配という文脈で語られてきた。しかし、本研究の成果により、これまで不明瞭であった平安時代中期における皇族・貴族領荘園の様相が具体的に明らかになったことで、当該時期における地方社会の在り方に対する従来の理解に新たな知見を提供することができた。この点は大変意義あることだと思われる。それと同時に、この研究では、中央と地方を一体的に捉えて荘園を検討しており、中央と地方の連関を具体的に実証した点にも意義がある。これは、これまでの学説に再検討を迫る意味を持っている。
また、本研究では、任官史料と荘園史料を組み合わせて考察する方法を採用しており、この研究方法はこれまで無かったものである。そして、この研究方法によって成果が得られたことにより、この方法が有効であることを実証することができた。このことは、近年、停滞気味であった平安時代の荘園研究に新たな研究視角・方法を提供したことになり、これによって、荘園研究が進むことが予想される。この点においても、本研究の成果は重要であると考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画では、平成29年度に皇族・貴族領荘園と年官の関係を明らかにすることを目標としており、その計画通りに研究を進めていった。その結果、研究成果を「平安中期の年官と庄園」として全国的な学術雑誌である『日本歴史』に掲載することができた。このような理由により、本研究課題の進捗状況は(2)おおむね順調に進展している、と判断した。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度は研究計画通りに進めて成果を上げることができた。今後も、当初の研究計画通りに研究を進めていく予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 平安中期の年官と庄園2017

    • Author(s)
      手嶋大侑
    • Journal Title

      日本歴史

      Volume: 830 Pages: 1-15

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 受領による国務運営と年官――平安中期の任用国司をめぐって――2017

    • Author(s)
      手嶋大侑
    • Organizer
      歴史学研究会
  • [Presentation] 九世紀における庄園と専当国司2017

    • Author(s)
      手嶋大侑
    • Organizer
      名古屋古代史研究会
  • [Presentation] 九世紀の庄園と専当国司――高子内親王家庄園を事例に――2017

    • Author(s)
      手嶋大侑
    • Organizer
      関東・名古屋・関西交流会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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