2017 Fiscal Year Annual Research Report
教師教育における「批判的省察」の理論的・実証的研究:「省察」概念の再構築に向けて
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17J00726
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高野 貴大 筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 省察 / 教師教育 / アメリカ / 批判的省察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究課題達成のための基礎的な研究資料の収集やアメリカ合衆国(以下アメリカ)での現地調査を実施し、おおむね予定通りに研究が進展した。 研究資料の収集として、教師教育における「省察」概念に関する基礎的資料の収集を行うことができた。また、研究課題に関連する学会大会や研究会に積極的に参加し、自身の研究課題に関わる研究論議とそれに関わる研究資料を収集することができた。これらの資料分析により、研究課題をより鮮明化することができ、調査対象としてアメリカで現在拡大中の教員養成プログラムである教員レジデンシー(teacher residency)プログラムに研究対象を焦点化することができた。 アメリカ調査として、ワシントン州シアトルとコロラド州デンバーで調査を行った。ワシントン州シアトルでは、シアトル教員レジデンシーのプログラムディレクターと採用・在職維持担当者にインタビュー調査を行った。コロラド州デンバーでは、ベッチャー教員レジデンシープログラムのディレクター、コロラド大学デンバー校の教育学部副学部長、レジス大学教授にインタビュー調査を行った。また、コロラド州オーロラ学区にある小学校に訪問し、実態を把握した。さらには、教師教育における「省察」に関する研究論議についてコロラド大学ボルダー校教授からレクチャーを受け、同校図書館にて研究資料の収集を行った。これらのアメリカ調査により、アメリカの教師教育において「批判的省察」が強調されている実践の実態を把握するとともに、いかなる研究論議がなされているかを確認できた。特に、アメリカの都市学区では、多文化・多人種の子どもに対応できる教員の育成が「社会正義」の文脈で強調されていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の研究計画の通り、アメリカにおける教師の「省察」概念に関する研究資料の収集と現地調査を行うことができた。研究を進めるなかで研究対象として教員レジデンシー(teacher residency)プログラムに焦点化することができ、プログラム関係者から聞き取り調査や資料収集を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、教員レジデンシー(teacher residency)プログラムの追加調査および文献調査を通じて、教員養成における「臨床経験」において社会的文脈を加味した「省察」がいかに扱われ、教師の省察的実践にいかに寄与しているのかについて研究をさらに進めたい。
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Research Products
(1 results)