2018 Fiscal Year Annual Research Report
カテプシンEならびに骨関連TNFスーパファミリーの 脳炎症における役割の解析
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17J01085
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 ゆか 九州大学, 大学院歯学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / MOG / TLR4 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度ではHEK293T細胞株にTLR4を強制発現させることで好中球が直接刺激を受けて活性化しているかについて検証を行った。TLR4阻害実験ではTLR4の細胞外ドメインを競合的に阻害するVIPERとTLR4複合体の細胞内ドメインと結合しているMD2に結合しシグナリングを阻害するLPttRSを用いてカテプシンEの発現抑制、疼痛抑制が生じていた。HEK293T細胞はTLR4を発現していないがプラスミドを用いてTLR4とMD2を同時に強制発現させた。その細胞を蛍光タンパク質FITCを結合させたMOGと共培養した後、蛍光MOGを洗浄して蛍光顕微鏡で観察したところ、 トランスフェクションさせた細胞でFITCのシグナルが確認出来た。またFACSで蛍光を示す細胞の割合を測定したところ、強発現細胞ではコントロールと比較して優位に蛍光が認められた。また好中球をMOGおよびTLR4のリガンドとして知られているLPSを作用させ共に培養を行ったところ、共にTLR4シグナリングの下流にあるIkB― αの分解が促進された。したがってMOGはTLR4複合体に内因性リガンドとして直接結合し好中球を刺激している可能性が示唆された。 以上の結果から運動機能障害発症以前のEAEにおける疼痛発症メカニズムが明らかとなった。MOGは好中球のTLR4を介して好中球を活性化させカテプシンE産生を促し、カテプシンEは好中球エラスターゼを活性化し活性化された好中球エラスターゼは好中球より分泌されDRG細胞表面のPAR2レセプター細胞外ドメインを切断して神経の感作を引き起こす。これがEAE初期段階における疼痛発症のメカニズムの一つであると考えられ、カテプシンE阻害薬または好中球エラスターゼの特異的阻害薬として使用されているシベレスタットがMS由来の疼痛に対する鎮痛薬として有用である可能性が考えられる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)