2017 Fiscal Year Annual Research Report
乱流熱応力バランスを満たすLES壁面モデルの確立とロケットノズル実スケール解析
Project/Area Number |
17J01232
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸谷 晃輔 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 圧縮性流体 / 熱乱流境界層 / DNS解析 / 運動エネルギー保存スキーム / 高次精度有限差分法 |
Outline of Annual Research Achievements |
エンジンやロケットノズル等の熱流体機械の設計において,壁面熱流束は性能に関わる重要な要素である.しかし,圧縮性熱乱流境界層流れの物理については未だ未解明な部分が多い.よって本年度は,圧縮性熱乱流境界層の物理の解明を目指して詳細な乱流の非定常解析を行うことを目的とした. 物理の詳細を解析するという観点から,当初予定していた格子サイズ以下の渦をモデル化するLarge-eddy simulation (LES) 解析ではなく,乱流のモデル化を一切行わず支配方程式を直接解くDirect numerical simulation (DNS) 解析を選択し,計算規模が想定の数倍となったが,順調に解析を進めている. また熱流体の物理を正確に解析するという目的のため,物理的に矛盾のない高次精度数値計算スキームの提案を行った.圧縮性平板熱乱流境界層で顕著になると予想される密度変動効果を忠実に再現するために,物理的な整合性を持つ運動エネルギー保存型計算スキームに着目し,その高次精度化と一般座標系への展開を行った.本スキームには既存スキームと比較して,離散化エラーやエリアシングエラーの格段な減少など明確な利点がある.本スキームを用いることで,より安定かつ高精度なDNS解析が可能となると期待できる.本研究成果は次年度学会発表を行い,投稿論文としてまとめるよう現在準備を進めている. 次年度は,現在解析を進めているDNSデータベースを基に,構築した新しいスキームを用いて強い壁面熱流束を伴う壁乱流のDNS解析を行い、詳細な物理メカニズムの解明を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
物理の詳細を解析するという観点から,当初計画していた格子サイズ以下の渦をモデル化するLarge-eddy simulation (LES) 解析ではなく,乱流のモデル化を一切行わず支配方程式を直接解くDirect numerical simulation (DNS) 解析を選択したため,計算規模が想定の数倍となったが順調に解析を進めている. また,壁面付近での密度変動が大きいと予想される流れ場を正確に解像するという目的から,従来の計算スキームではなく,新たな物理的に矛盾のない高次精度数値計算スキームを提案した.DNS解析への展開には安定性や解像度などについて更なる議論と検証が必要であるが,提案スキームによってより安定で高忠実な圧縮性熱乱流解析が可能になると期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
提案した計算スキームを用いて圧縮性熱乱流境界層のDNS解析を行い,その物理を解明する.また,このDNSデータベースと解明した物理を元にLES壁面モデルの構築を行う.その後,構築した壁面モデルを用いたLES解析を実施し,実験やDNS解析結果と比較して検証と改良を行う.
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Research Products
(1 results)