2018 Fiscal Year Annual Research Report
Global Modeling of Environmental Flow Requirements for Sustainable Water Resource Use
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17J01264
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
篠崎 由依 筑波大学, システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 環境流量 / 水資源開発 / 一次生産力 / 生態系サービス / 持続可能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,環境流量必要量を月別に算出する全球モデルを構築した.既往の環境流量全球モデルは,流量の大小でしか地域区分できなかったが,本研究では,生物学的生産性の高い場所,あるいは生態系が脆弱な場所を抽出し,こうした場所により多くの環境流量を配分するアルゴリズムを用いている.さらに,本研究で得られた環境流量必要量の妥当性を検証するため,16カ国28地域の現地調査に基づく環境流量必要量,及び3つの既往全球モデルの計算値と比較した.その結果,本研究で提案する環境流量必要量は,現地調査に基づく環境流量基準と最も整合性の高いことを確認した.特に,既往の全球モデルでは過小評価となっていたアジア=モンスーン地域やサバナ地域など,生物多様性が高く年間の流量変動の大きな地域において,現地調査に基づく評価と遜色のない精度を持つことがわかった. 加えて,最も多くの環境流量が必要になる月とその季節傾向から全球を5つの型に類型化した.対象地域がどの型に含まれるかを確認することで,水資源開発に際し,河川環境への配慮が特に必要な季節を確認したり,年間の放流規則を検討したりすることが出来るようになった. 水資源開発の広域計画や基本検討の際には,対象地域がどの程度の流量減少に耐えられるのか,周辺地域と比べてどの程度保全の優先度が高いのかを比較・判断する情報が必要である.そのため本研究では,モデル計算結果を用いてこれらの判断のための二つの指標を導入した.河川生態系の豊かさを示す指標(生産性指標)と脆弱性を示す指標(脆弱性指標)である.これらを全球で提示した. 研究の段階ごとに,国内外の学会,研究会,勉強会に積極的に参加して研究成果を発表するとともに,生態学,土木,水資源,河川管理等関連分野の専門家と議論を行い,モデルの改善や精度向上に努めた.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)