2017 Fiscal Year Annual Research Report
高選択的物質変換に向けたコア-シェル型ゼオライト触媒の精密設計
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17J01553
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 浩史 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | ゼオライト / コアーシェル構造体 / 固体酸触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、コアーシェル構造体のゼオライト触媒をベースにさまざまな活性点を付与することで、高選択的な物質変換を目指すことを目的としている。本年度は、その付与する活性点の開発を中心に研究を行った。特に、ゼオライトの固体酸性質の制御を行った。ゼオライトの固体酸性質を制御するための具体的なアプローチとして、酸点の発現に大きく寄与する元素を他の元素での置換を行った。 まず、SiとAlで構成される最も一般なゼオライトであるアルミノシリケートでは、3価のAlが酸点の発現に大きく寄与するので、3価の異種元素であるFeによる置換を行った。Feに置換することで、ゼオライトの酸強度が弱くなることを見出した。中程度の細孔の大きさを有するMFI型および大細孔を有するBEA*型ゼオライトに対して、Feで置換することに成功し、弱酸化を確認した。そして、そのFeで置換したMFI型ゼオライトは、メタノールから低級オレフィンを合成するMethanol to Olefins (MTO)反応において、エチレンい比べてプロピレンが選択的生成することが分かった。また、Feで置換したBEA*型ゼオライトでは、アセトンから低級オレフィンを合成するAcetone to Olefins (ATO)反応において、高いイソブテン収率を示すことが明らかになった。 続いて、Si, Al, PからなるSAPO系ゼオライトにも同様のストラテジーで酸強度の制御を試みた。SAPO系のゼオライトでは4価のSiが酸点の発現に大きく寄与するので、そのSiを同様の4価のGeで置換したGeAPO型ゼオライトを開催した。このGeAPO型ゼオライトはSAPO型ゼオライトに比べて、酸強度が弱いことが確認された。このGeAPO系ゼオライトの合成は小細孔のAEI型において成功した。GeAPO型ゼオライトは、MTO反応において、寿命が向上することが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、ゼオライトの骨格に異種元素を導入することに成功した。そして、そのゼオライト触媒が非常に優れた触媒特性を見出すことができため。
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Strategy for Future Research Activity |
用途を更に拡大するために、金属ナノ粒子などの触媒活性点を内包したコアーシェル構造体ゼオライトの開発を行う。そして、その開発したコアーシェル構造体ゼオライトを様々な反応に適応する予定である。
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