2018 Fiscal Year Annual Research Report
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17J01710
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 睦 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 格 / 格標示 / 日本語史 / 日本語文法史 / ガとノ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は日本語における「格=文中における名詞句がどのように働くか」および「格標示の方法=格がどのように表現され得るか」の歴史的変化について、有形の格標示形式であるガとノの分布とその変化についての検討をおこなった。 格助詞ガ・ノは、古代日本語において主語標示用法・連体修飾用法の両方に用いられていたが、先行研究に指摘されるように下接し得る名詞に制限があった。即ち、ガは代名詞や固有名詞に、ノはそれ以外の名詞に下接していたのである。この制限は現代日本語へと変化する中で失われることになり、そのプロセスについて検討することが求められている。本年度は、昨年度に引き続き、この変化について調査をおこなった。昨年度の論文においては「いつごろ変化が生じたか」について、14世紀ころに生じたことを明らかにしていたが、そのメカニズムについては解明できていなかった。そのため、本年度は再調査をおこない、変化の動機やメカニズムについて明らかにし、研究発表をおこなった。 加えて、従来、古代日本語におけるガとノの使用法として「ノ・ガ尊卑説」という、ノは尊敬すべき対象に、ガは軽蔑すべき対象にそれぞれ下接するという規範意識が指摘されてきた。この規範意識と、ガ・ノの実際の使用(実態)とを検討し、実態としての尊卑に基づく使用よりも規範意識のほうが先行して存在していたことを指摘し、この規範意識と実態のずれをガとノが変化する過程の一部として位置づけるという研究発表をおこなった。この成果は翌年度に論文として公開される予定である。 また、上記に加え、古代日本語における「私_猫_飼ってるよ」のような格標示の形式がない「ゼロ形式」についてもデータの収集・整理をおこなっている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)